改修工事では、材料の選定をする前に、
どのような方法で改修をするかを決める必要があります。

現状の防水層を剥がしてやり直す「撤去工法」か、
現状の上に新規防水層をかぶせる「かぶせ工法」か、
又は下地に穴を開けて新規防水を止めていく「機械的固定工法」か?

それぞれの特徴をみてみましょう。

撤去工法 かぶせ(再生)工法 機械的固定工法
解説 既存防水層を撤去し、新築時の下地に新規防水層を施工する。 既存防水層の不良部のみを除去し、適切な下地処理を施した上で、新規防水層をかぶせて施工する。 かぶせ工法の一種。 既存防水層の上から、下地に穴を開けて新規防水層をアンカー固定する。
PH
騒音 既存撤去の際に騒音、振動が発生 騒音、振動は少ない アンカー固定の際に騒音、振動が発生
工期 撤去工事期間分工期が長引く 撤去工法に比べ工期短縮が可能 撤去工法に比べ工期短縮が可能
コスト 撤去工事、廃材処分費の計上が必要 撤去工法に比べ安価 下地処理が簡略化できるため安価
作業 廃材搬出等周辺に対しての危険作業あり 周辺環境に対して安全性が高い 周辺環境に対して安全性が高いが騒音が発生する
養生 撤去後防水層施工前の漏水への配慮が必要 既存の防水性能が期待できる 既存防水層の機能が完全に失われる
環境 撤去廃材は産業廃棄物に該当する 産業廃棄物が少ない 産業廃棄物が少ない
新規 防水 様々な工法の選択が可能 既存と新規の防水材料の相性を考慮する必要あり ALCなど下地構造の問題を除き、既存防水層との相性を考慮せずに採用が可能
考察 既存防水層が撤去すべき状況の場合には、撤去工法を採用しながら、次回回収時にはかぶせて改修が可能な改修仕様を選定すればメリットがある。 既存防水層を再度下層防水層として利用しながら、新規防水層を形成するため、信頼性・耐久性が高い。 既存防水の状態が非常に悪い際にはメリットあり。
撤去工法 既存防水層を撤去し、新築時の下地に新規防水層を施工する。 既存撤去の際に騒音、振動が発生 撤去工事期間分工期が長引く 撤去工事、廃材処分費の計上が必要 廃材搬出等周辺に対しての危険作業あり 撤去後防水層施工前の漏水への配慮が必要 撤去廃材は産業廃棄物に該当する 様々な工法の選択が可能 既存防水層が撤去すべき状況の場合には、撤去工法を採用しながら、次回回収時にはかぶせて改修が可能な改修仕様を選定すればメリットがある。
かぶせ(再生)工法 既存防水層の不良部のみを除去し、適切な下地処理を施した上で、新規防水層をかぶせて施工する。 騒音、振動は少ない 撤去工法に比べ工期短縮が可能 撤去工法に比べ安価 周辺環境に対して安全性が高い 既存の防水性能が期待できる 産業廃棄物が少ない 既存と新規の防水材料の相性を考慮する必要あり 既存防水層を再度下層防水層として利用しながら、新規防水層を形成するため、信頼性・耐久性が高い。
機械的固定工法 かぶせ工法の一種。 既存防水層の上から、下地に穴を開けて新規防水層をアンカー固定する。 アンカー固定の際に騒音、振動が発生 撤去工法に比べ工期短縮が可能 下地処理が簡略化できるため安価 周辺環境に対して安全性が高いが騒音が発生する 既存防水層の機能が完全に失われる 産業廃棄物が少ない ALCなど下地構造の問題を除き、既存防水層との相性を考慮せずに採用が可能 既存防水の状態が非常に悪い際にはメリットあり。

以上の表から、防水改修工事では、
「かぶせ工法」の採用が、工期・コスト・信頼性、
ならびに資産価値の向上の意味でも優位性があるといえます。

既存防水層との相性を考慮しながら、新規にかぶせる防水工法を選択しましょう。
(詳しくは、防水の専門医に御相談ください。)