屋上の駐車場防水の改修工事の種類と特徴
駐車場には重量に対して十分な強さが求められます。さらに、駐車場が屋上にある建物には、建物の耐震性を維持する為に、雨水をコンクリートに浸透させない防水力も必要です。
その為、駐車場のある屋上には、超速硬化ウレタン防水やアスファルト防水押さえコンクリート仕上げなど、重量にも雨水にも強い耐性を持つ駐車場防水に最適な防水工法が採用されます。
Contents
駐車場防水にも使われるアスファルト防水の特徴
屋上駐車場には、地上の駐車場よりも厳しい条件が求められます。駐車台数の重みに対する耐久力と、雨水の浸透に対する防水力です。この2つの条件を兼ね備える屋上にすることができる防水工法は水密性・耐久性がともに高く、施工の不具合が出にくいという強みを持つアスファルト防水です。
このアスファルト防水は世界最古で最も信頼性の高い防水工法です。液状の溶解アスファルトと防水性の高いアスファルトシートを積層して厚みのある防水層をつくる工法です。
熱工法で施工されるアスファルト防水は100年以上もの歴史がある防水工事で、液状の溶解アスファルトと防水性の高いアスファルトシートを積層し、厚みのある防水層をつくります。二層以上の積層工法が原則で、水密性・耐久性とも高く、施工の不具合が出にくい工法です。駐車場防水には押さえコンクリート仕上げが採用されます。
押さえコンクリート仕上げとは、防水層の上を保護コンクリートで覆って仕上げる工法です。全ての防水工事の中で最も耐久性が高いのですが、約200kg/㎡という重量があります。
軽さが求められる駐車場防水には超速硬化型ウレタン塗膜防水が採用されます。
超速硬化型ウレタン塗膜防水の特徴
屋上駐車場防水には、強靭さと軽さを備えた高い耐久性と工期の短さが求められます。
強靭さと軽さ
保守点検者以外はほとんど人の出入りがない屋上と比較すると、駐車場のある屋上には、頻繁な車の走行による摩耗に耐える強さが必要です。特にコーナーやスロープ部では、タイヤのひねりや強い摩擦が加わるので、より高い耐久力が求められます。
その為、屋上内のスペースごとに必要な強靭さを備えさせられるよう、それぞれのスペースに最適な仕様で施工されます。
駐車場 一般部仕様
強度に優れるオルタックスプレーにセラミック骨材を散布した「グリップ層」を施工します。スプレーによる吹付けを重ねることで、駐車場に適した走行性と防水性・摩耗耐久性を兼ね備えた強靭な塗膜を形成します
スロープ/コーナー部仕様
タイヤのひねりや強い摩擦が加わるコーナー、スロープの補強仕様も、同材料で施工できます。
スロープ 防滑仕様
駐車場の斜路は、勾配を走行する車両のスリップ対策として、通常のグリップ層に加えてより高い滑り止め効果が必要です。骨材を加えたスプレー防水材を部分的に重ねて吹付けることで凹凸を設け、高い防滑性を付加するとともに耐摩耗性を高めることができます。
滑り止め効果や高い耐摩耗性が求められる急勾配のスロープには、スプレー防水を重ねることで、ストライプ状の防滑層を形成します。
工期の短さ
屋上に駐車場がある建物の多くは商業施設や公共施設で、長期間の休みを取って屋上の防水工事をすることができません。長期間の休業を避ける為には、短工期での施工が求められます。
超速硬化型ウレタン塗膜防水は、短い工期で強靭な防水層を形成できる為、長期間に渡り営業に影響を与えることなく工事が完了します。
超速硬化型ウレタン塗膜防水 駐車場防水改修の施工手順
駐車場防水改修は、次のような手順で施工が進められます。
- 既存防水層の撤去 既存防水層を完全に撤去します。
- 研磨処理 コンクリート表層に残っているプライマー層も研磨機で完全に除去します。
- 下地の乾燥 剝離、ふくれが発生しないよう、十分に乾燥させます。
- 下地クラックの処理 下地にクラックが生じていた場合には平滑になるように処理をします。
- プライマー塗布 浸透型、又は造膜型プライマー塗布を塗布します。
ウレタンスプレー防水の注意点
ウレタンスプレー防水はアスファルト押え仕上げに比べて、工期が短い・軽いという良さがありますが、常時メンテナンスが必須です。
始めにご紹介したアスファルト押え仕上げとどちらにするか検討される場合、ウレタンスプレー防水には常時メンテナンスが必須であることを考え併せることが大切です。
駐車場防水の改修のタイミングを逃さない為に必要なこと
建物の屋上の防水は、建物の寿命を長くすることと、建物を使う人々の安全を守る為に常に良い状態に維持しておかなくてはなりません。もしも屋上からの雨水の浸透によって構造部が劣化し、耐震性を維持することができなくなれば、資産価値が低下するだけではなく、人々の安全が脅かされてしまいます。
また、屋上防水の工事は劣化が進めば進むほど、工事期間が長引き費用も嵩みます。特に駐車場のある屋上では、駐車する車の台数や走行の頻度によって、耐用年数まで間があっても劣化が進んでいる恐れがあります。
常に多数の車が駐車している屋上では、屋上防水に知識のある専門スタッフが屋上の状態を定期的にチェックしていれば安心ですが、一般的には目視で屋上の劣化を判断することも難しいです。
屋根(屋上防水)の点検
雨水を直接受ける屋根は、コンクリートだけでは水の侵入を防ぐことができないので、「防水層*」が設けられています。 防水層にも寿命があるので、建物の一生を通じて何度かは部分的に、あるいは全面的に修繕することが必要です。
その為、新築や、前回の防水改修から10年以上経っている場合には、防水改修診断をお勧めします。駐車場のある屋上には、新築時や前回の防水改修では、アスファルト防水押さえコンクリート仕上げがされているはずです。
そして、建設省総合開発プロジェクト(昭和55〜59年)の「建築防水の耐久性向上技術」資料では、アスファルト防水押さえコンクリート仕上げの耐用年数は約17年とされています。
そろそろ耐用年数に近くなっているという場合はもちろんですが、耐用年数まで間があっても、ドレンの手入れなどのメンテナンス、天候などによって劣化が始まっている恐れがある場合には、防水改修診断を受けておくと、駐車場防水の改修を適切な時期に行うことができます。
防水層改修調査は無料です。屋上のメンテナンスに関して不安を感じた時や、防水改修を検討される際にはお気軽にお問い合わせください。
関防協は、防水工事の「エキスパート集団」です。
工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。
当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。
また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。
「雨漏り診断をどこに依頼すれば分からない」「信頼できる施工会社の選び方が分からない」そんな方は関東防水管理事業協同組合へご相談ください。
当HPでは、防水改修調査診断員による無料診断も申し込みや、マップ上での施工店検索ができます。 少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。