屋上緑化で室内環境が向上する?そのメリット・注意点やおすすめの工法を解説

最近、都心のオフィスビルでは屋上に庭園を設けるなど「屋上緑化」が進んでいます。その目的は社会貢献や景観向上など複数ありますが、実は建物によっては室内環境も改善される場合があります。そのため、費用をかけても屋上緑化するビルは年々増えてきており、環境的観点からも注目が高まっています。
そこで、今回は屋上緑化のメリットや、注意点、おすすめの工法について解説します。新築はもちろん、リノベーションで取り入れられるケースもありますので、ビルや集合住宅オーナー様は是非参考にしてください。

このコラムのポイント
・ビルの屋上緑化は環境的メリットだけではなく、室内環境を向上させる効果がある。
・屋上緑化する際は、耐根対策や耐風圧対策、適切な排水システムが必要。

 

屋上緑化がもたらす効果やメリットとは?

平成後半より屋上緑化を取り入れている建物は年々増加しています。では、なぜビルなどの屋上緑化が進んでいるのでしょうか?ここでは、その具体的なメリットや効果について紹介します。

その① 環境問題対策

近年、世界中で地球温暖化が問題視されていますが、屋上緑化によって街に“緑”が増えるとそれら環境問題対策にも繋がることが実証されています。具体的には、都市のヒートアイランド現象やCO2対策としての効果が期待されており、さらに下水汚泥などのリサイクル資源を肥料などに用いることで、資源が循環し、都市全体で環境に貢献できる仕組みが出来上がります。

1.都市の環境負荷低減に貢献する効果
・都市気象の改善(ヒートアイランド現象の緩和、過剰乾燥の防止)
・省エネルギーの推進(エアコンにかかる電力の低減等)
・空気の浄化(CO2,NOx,SOxの吸着等)
・雨水流出の遅延・緩和

2.自然共生型の都市づくりに貢献する効果
・都市内への自然的環境の創出
・都市の快適性の向上(うるおい、安らぎ感の創出)

3.資源循環型の都市づくりに貢献する効果
・リサイクル資材の有効利用(下水汚泥、廃コンクリート、廃発泡スチロール等)

引用元:国土交通省屋上庭園|屋上緑化の効果


その② 断熱効果

あまり知られていないのが、室温上昇や省エネ対策としての効果です。まず、屋上緑化によって太陽で熱せられた屋上の熱が水分蒸発によって奪われます。それによって、最上階の室温の上昇を抑えられ、空調機器の使用頻度が減らせます。このように、快適環境が保てるだけではなく省エネ効果も期待できます。


このように、屋上緑化には室内環境を整える効果もあり、テナントビルや集合住宅においても他との差別化を謀れる強みとなり得るのです。

その③ 火災時の延焼防止

生木などの植栽には多くの水分が含まれており、耐火性が高いと言われています。実際に、関東大震災時には上野公園を始めとした自然豊かな場所は火災被害を免れて人々の避難場所となりました。屋上緑化にも同じような効果があり、建物が密集した場所においては延焼を遮断する役目を果たせます。
また、植物の水分が発火を抑えるだけではなく、周囲の火から発せられる輻射熱からも建物を守ってくれます。ただし、建物の規模に対して十分な面積の屋上緑化を設けなければ効果は得られないので、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

その④ 癒し空間

平成17年に国土交通省が行なった「~真夏日の不快感を緩和する都市の緑の景観・心理効果について~都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査」によると、人間の視界に見える緑の量(緑視率)が高ければ高いほど、「潤い・安らぎ・爽やかさ」などの心理的効果が得られることがわかっています。また、疲労感が緩和するなどの身体的効果も期待できるデータも出ています。
つまり、周囲に公園などの緑地やオープンスペースが十分ない都心部においては、建物利用者が簡単にアクセスできる屋上緑化エリアは重要な癒し空間となるのです。

その⑤ 美観・社会的評価の向上

屋上緑化のメリットや効果は、建物利用者に対してだけではありません。外部から建物を見上げた時に屋上に”緑”があることで、外観のデザイン性や高まることが期待できます。また、「屋上緑化を取り入れている=環境への意識が高い・維持管理が整っている」というイメージを持たれやすくなるため、建物の社会的評価向上にもつながります。そのため、屋上緑化をその施設のセールスポイント・アピールポイントとしておいている場合も多いのです。



屋上緑化はむやみに取り入れると危険!気をつけるポイントや注意点は?

ここまでは屋上緑化を取り入れるメリットについて詳しくお話ししてきましたが、建物へ取り入れる際のポイントが「十分な設備を整えないと建物の寿命を短くしてしまう」という点です。そこで、ここでは屋上緑化を検討する際に重要な注意点について解説します。

その① 許容積載荷重内かどうか

屋上を緑化する場合には、ある程度の土壌や給排水システムの設置が必要不可欠になります。新築の場合はそれらを加味して構造計算をしなくてはいけませんし、リノベーションの場合には現状がそれらの積載荷重に耐えられる構造になっているか確認しなくてはいけません。建築基準法では、屋上やバルコニーの床積載荷重の最低数値が定められていますが、建物によってはそれ以上の数値をカバーできるように設計されている場合もあります。


ですから、屋上の緑化計画を立てる場合はその建物が土壌などの積載荷重に耐えられる構造になっているかを設計士や工務店、ハウスメーカーに確認してもらうことが必須となります。

その② 防水層は正常か・排水設備は整っているか

屋上には、室内への漏水を防ぐための防水層が形成されているため、基本的には屋上を緑化しても室内への水の影響はありません。しかし、それはあくまで防水層が正常に機能している場合に限ります。屋上緑化を検討する前に、屋上防水の現状を防水工事の専門家に診断してもらい、劣化している場合には適切な処置をしてから緑化工事を行いましょう。また、防水は施工会社が漏水保証を出すことが一般的です。施工会社に無断で手を入れてしまうと保証対象外となる可能性があるため、注意してください。

高い防水性能こそが安全な屋上緑化につながります。また、実際に緑化した際の排水設備も建物を健全な状態で保つためには必要です。既存屋根の排水計画を事前に確認し、排水口の詰まり対策を取るようにしましょう。

〈関連ページ〉
下記ページでは具体的な排水対策について解説されています。是非合わせてご覧ください。

田島緑化工事株式会社|屋上緑化設計上の注意点

その③ 防根(耐根)対策

屋上は十分な日差しを確保できるため、条件さえ整えば植物にとって成長しやすい場所となります。そのため、成長に伴って伸びる根についても対処しておかなくてはいけません。具体的には、根が防水層を貫通して破断させたりしないための防根(耐根)シートを敷く必要があります。防根(耐根)シートは、防水層上に直接施工するため、防水工事の専業者に依頼することが肝心です。

その④ 避難経路の確保

集合マンションやテナントビルにおいては、屋上緑化によって避難経路が妨げられないかも重要なポイントです。植栽によって避難用ハッチや避難はしごが見つけにくくなってしまったり、アクセスが困難になってしまうと、災害時に深刻な問題の原因となってしまいます。また、屋上からの落下物が周囲に影響しないかについても十分考慮しなくてはいけません。緑化計画を立てる際は、これらのポイントに配慮しながらプランニングしましょう。

その⑤ 適切な植栽選び

屋上緑化に適した植物は地上を緑化する場合と少々異なります。例えば、屋上は地上よりも強く複雑な風が吹くため、樹木を植える際は高く成長しないものが適しています。また、秋になると落葉する植物は排水溝に落ち葉が詰まったり、近隣へ飛んでしまったりするため避けた方が良いでしょう。そのため、常緑樹(一年中葉が落ちない樹木)や中低木、常緑キリンソウなどがおすすめです。

〈関連ページ〉
下記ページでは、屋上緑化に適した植物について詳しく解説されています。植物の画像も掲載されているため、ぜひご覧ください。

田島緑化工事株式会社|屋上緑化に適した植物



屋上緑化を検討中の方には「G-WAVE」システムがおすすめ

安全で美しい屋上緑化をするには、適切な設備は欠かせません。そこでおすすめなのが、田島ルーフィングの「G-WAVE Green Roof Story Plus 」です。

  • 植物の根から建物を守る高い耐根性能の「ルートガードD」
  • 保水・排水・通気機能を高める立体構造の「FDドレン
  • 風から緑を守る確かな耐風圧性能

独自の耐根シート「ルートガードD」は長期にわたって根が防水層に侵入するのを防ぐだけではなく、防水性も確保できるため、漏水などの心配がありません。また、植物が育ちやすい環境を整えるための適度な保水・排水・通気機能を高める立体構造の植栽基盤「FDドレン」が設置されています。さらに、両面粘着材「エコムテープ20」による接着固定工法を用いるため、軽く薄い耐根・防水層が形成でき、荷重や風の負荷を軽減できます。これらの機能を兼ね備えているため、”緑”を美しく保てるだけではなく建物への影響も防ぐことができるのです。

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下記ページでは商品の詳細や納入実績をご覧いただけます。

田島ルーフィング株式会社|屋上緑化



工事店はどうやって選ぶ?業者選びに困ったら関防協へご相談を!

工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へお気軽にご相談ください。当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループです。東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。そのため、屋上緑化についてだけではなく様々な防水トラブルについてご相談いただけます。当HPではマップ上での施工店検索もでき、建物の防水層改修調査も承っておりますので、ぜひお気軽にご活用ください。

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下記コラムでは、施工会社の選び方を詳しく紹介しています。どこに頼めばいいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。



まとめ|屋上緑化で建物の室内環境や建物の価値を高められる

今回は、屋上緑化についてメリット・効果や検討する際に気を付けるべきポイントについて詳しく解説しました。屋上の緑化は多くのメリットがあるため年々採用件数が増え続けています。しかし、十分な設備を整えておかなくては植物がうまく育たないだけではなく、建物の劣化を早めて寿命を短くしてしまいます。検討する際には、十分な知識と経験を持ったプロに相談し、建物が屋上緑化に適しているかを十分見極めてから工事を行うようにしましょう。「信頼できる業者がわからない」そんな方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合のネットワークで信頼できる工事店を探してみてください。都道府県別に登録業者を検索できるため、近くの工事店を簡単に見つけられます。少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。