【よくある質問】マンションの屋上防水工事のタイミングは?必要な理由と工事内容・費用相場
屋上防水工事は、マンションや住人の暮らしを守る上で重要な工事です。必要なタイミングで必要なメンテナンスをしなければ、マンションの劣化や漏水など大きなダメージにつながる可能性も。とはいえ、いつどのタイミングで防水工事をやればいいのか悩むオーナーさんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、マンションの屋上防水工事のタイミングと合わせて、工事内容と費用相場についても合わせてご紹介します。
・ひび割れや塗膜の剥がれなど防水工事のタイミングをまとめました。
・条件を全て満たせば、補助金を活用して屋上防水工事を進めることもできます。うまく制度を活用しながら気になるところがある場合は早めに防水診断を行いましょう。
Contents
マンションの屋上防水工事が必要な理由
マンションの屋上防水工事は、雨水から建物を守り雨漏りを防ぐために必要です。長時間雨風にさらされている建物は、劣化しやすい状態にあります。
特にマンションの屋根は「陸屋根」という雨水が溜まりやすい構造になっているため、劣化し防水機能が低下してしまうと雨水が建物内に侵入してしまうのです。建物内に侵入した雨水は、マンションの構造にダメージを与えます。構造の劣化が進むと安全性が損なわれるだけでなく、防水工事以上に改修費用がかかることもあります。
雨漏りを起こさないために必要な防水性能を維持できるよう、最適なタイミングで防水工事を行うことが大切です。
マンションの屋上防水工事のタイミング
一般的に、マンションの屋上防水工事は大規模修繕のタイミングで行います。12〜16年周期が目安です。
定期的にメンテナンスをしていればある程度雨漏りは防ぐことができますが、劣化状況によっては別途工事が必要なケースもあります。次のようなサインが見られたら、防水工事を検討しましょう。
ひび割れ
地震や紫外線の影響により、防水層はひび割れを起こします。ひび割れを放置しておくとそこから雨水が入り込み劣化が進んでいきます。
防水シートのジョイント口開き
防水シートを貼っている場合、劣化し接着力が低下すると裏面が剥がれてきます。防水シートの端やつなぎ目で起こりやすく、そこから雨水が侵入しやすくなります。
屋上に水たまりができる
雨が降った後、何日も水溜りができている場合は要注意です。水はけの悪さは劣化を引き起こす原因となります。
雑草が生えている
防水機能が低下すると、雑草が生えてきます。雑草の根は防水層(コンクリートの建物の屋上に施工する雨水の侵入を防ぐ仕組みのこと)内部にダメージを与えるため、撤去した上で防水工事を行う必要があります。
防水層が膨らんでいる
防水層の下に溜まった水分が熱で蒸発し、湿気が防水層を押し上げることで膨らみが生じます。次の改修では下地処理として湿気を逃し、防水工事後も外気に逃す防水工事が必要です。
排水溝が詰まっている
定期的に清掃をしていても排水溝が詰まる場合、排水の流れが悪くなる勾配不良の可能性があります。うまく雨水が流れず、溜まることで防水層の劣化を早めてしまいます。
雨漏りしている
すでに階下に雨漏りしている場合、早急に対処が必要です。訪問診断を依頼し、速やかに対応を進めていきましょう。
マンションの屋上防水工事の内容
マンションの屋上防水工事は、雨水が建物の中に入りこまないようにする仕組みづくりを行います。
防水工法は「塗る」「塗る+貼る」「シート」の大きく3種類
防水工事は主に以下の3つの中から用途に合わせて行います。
- ① 塗膜防水(塗る工法)
- ② アスファルト防水(塗る+貼る工法)
- ③ シート防水
それぞれの特徴について見てみましょう。
① 塗膜防水(塗る工法)/ 標準耐用年数 約10年
現場で液状の防水材料(樹脂・合成ゴムなど)を塗り、化学反応で防水の膜をつくり、硬化させて防水層をつくる工法です。
- 元々の防水膜を撤去する必要がない
- 複雑な形状でも対応可能
- 一定の厚みの確保が難しい
- 乾燥に時間がかかる
フェンスの基礎がある場所、細かい作業が必要な屋根やベランダなど歩行を伴う場所の防水工事に有効です。
② アスファルト防水(塗る+貼る工法))/ 標準耐用年数 約13〜17年
不織布シートに、液状の溶解アスファルトと防水性の高いアスファルトシートを積み重ね、厚みのある防水層をつくる工法です。
- 歴史があり信頼できる工法
- 水密性、耐久性が高い
- アスファルト溶融時ににおいと煙が発生する
- 技術不足による施工不良が起こる可能性も
においと煙が気になるため、建物を利用しながら作業環境に対応した常温粘着工法やトーチ工法を使うこともできます。仕上げは、防水層の上をコンクリートで保護する押さえコンクリート仕上げと、砂の付いたシートで仕上げる露出仕上げの2タイプがあります。
③ シート防水/ 標準耐用年数 約13年
合成ゴムや塩化ビニールでできたシートを下地に貼りつける防水工事です。
- 広い面積でもまとめて防水工事ができる
- 扱いやすく施工しやすい
- つなぎ目や端の部分の接着に技術が必要
- 外部損傷にやや弱い
シートは工場成型のためどの部位でも材料の品質は同じですが、単層防水のためジョイントの施工を確実に行なわないと漏水事故につながってしまいます。
マンションの屋上防水工事にかかる費用
マンションの屋上防水工事は、使用する防水材料や工法によって費用が変わります。
さらに既存の劣化状況によって、どういった下地処理をするのかによっても金額は変わります。可能な範囲で費用をおさえることも大切ですが、耐用年数やコストパフォーマンスを考えると、費用が高くても耐久性の良い防水工事をしておく方が安心です。
まずは訪問診断を依頼し、見積もりを出してもらいましょう。
補助金の活用も検討を
条件を全て満たせば、補助金を活用して屋上防水工事を進めることもできます。銀行からの融資とは異なり、返済義務がありません。お住まいの自治体以外にも、詳細をホームページに掲載している業者がないか確認してみましょう。
マンションの屋上防水工事は信頼できる業者に依頼しょう
マンションの屋上防水工事のタイミングや工事内容、費用相場についてまとめてきました。最適なタイミングで必要な防水工事内容を見極めることができれば、大切なマンションを安全な状態で守り続けることができます。
タイミングとして挙げた「ひび割れ」や「塗膜の剥がれ」など気になる症状がある場合、早めに防水診断を行い、必要な処置を行うようにしましょう。
関防協は、防水工事の「エキスパート集団」です。
工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。
当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。
また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。
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