屋上ソーラーパネルで防水トラブルに!問題の原因と対策・おすすめの工法を解説
近年、自然エネルギーへの関心が高まっていることもあり、中小規模のビルやマンション、アパートなどにも屋上へソーラーパネルを設置するケースが増えてきています。しかし、残念ながらそれと同時に、ソーラーパネルを設置したことで雨漏りなどのトラブルが発生してしまうことは少なくありません。
そこで、今回は屋上にソーラーパネルを設置したことで起こりうるトラブルについてや、対策、おすすめの工法について解説します。これからソーラーパネルシステムの導入を検討する方は、是非参考にしてください。
・建物への負荷荷重や、屋上防水のダメージを最小限に抑える工法を選ばなくてはいけない。
Contents
屋上にソーラーパネルを設置する事例が増加中。その理由は?
年々導入コストが低減していることもあり、屋上へソーラーパネルを設置する建物は増加傾向にあります。その主な理由は下記の4点です。
- 光熱費の削減
- 売電
- 環境的観点(自然エネルギーの活用)
- 停電時・災害時の活用
テナントビルやアパート・マンションの屋上は、一戸建て住宅より多くのソーラーパネルを設置できるため、共用部にかかる光熱費をソーラーパネルで賄う目的で設置を検討する方が多いです。また、発電した余剰電力を電力会社に売電するために設置するケースも見られます。以前はこれらの点が設置理由の大半でしたが、最近では環境問題対策としてや、停電時・災害時の非常電源として活用したいという理由が増えてきました。
ただし、費用対効果やシステム機器の耐久性・ランニングコストなどを重視する方は多いものの、肝心の建物への影響やメンテナンス性についてはあまり考慮されていない傾向があります。
一般的には、ソーラーパネルの寿命は20年程度で、導入コストを回収するには平均で10〜15年程かかると言われています。いくら太陽光発電システムが正常に長く稼働して効率良く発電できたとしても、建物へダメージを与えてしまっては全く意味がありません。設置をする際には、第一にその設置方法や建物のメンテナンス性についてじっくり検討しましょう。
ソーラーパネル設置に伴い発生するトラブルは「雨漏り」
ソーラーパネルを設置したことで起こるトラブルは、ずばり「雨漏り」です。その原因はいくつかあります。
- パネル設置用架台を固定する際に防水層を破断してしまう
- 防水処理を施したとしても、適切な方法でなければ経年劣化で水が侵入する
- ソーラーパネルを設置したことで、防水メンテナンスが行き届かなくなる
よくあるのが、パネル設置のための架台を固定する際に、防水層に穴を開けてしまうケースです。ソーラーパネルの施工会社によっては、防水層の構造を理解できておらず、しっかりと設置することだけに注力してしまうこともあります。また、防水層に開いた穴をコーキングなどで塞いで防水処理をしても、経年劣化で後々水が侵入してしまうことも少なくありません。さらに、ソーラーパネルを設置したことで、架台などが邪魔になり防水メンテナンスが完全にできないこともあります。
重要なのは、ソーラーパネルの施工会社だけに相談せずに、必ず屋上防水の専門家にも合わせて相談することです。雨漏りを防ぐためには、設置前に既存の防水層が機能しているかを確認してもらい、設置時には適切な補修をしてもらうことが欠かせません。
トラブルを回避する対策とは?
では、ソーラーパネル設置に伴うトラブルを回避するためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、必ず注意するべき3つのポイントを紹介します。
その① 屋上防水の見直し
まず、設置をする前に必ず屋上防水の見直し(現状チェック)をしましょう。防水工事の保証期間内であっても、パネル架台などを設置したことで施工保証は失効してしまう場合が多いためです。
ですから、ソーラーパネル設置と合わせて新たに防水工事も行うことで、改めて施工保証を発行してもらうこともポイントです。そのためにも、ソーラーパネルの施工会社と防水施工会社の両方に並行して相談しなければなりません。
その② 負荷荷重・メンテナンスを考慮した設置計画
ソーラーパネルを設置する場合には、「負荷荷重」にも留意しなくてはなりません。新築時図面などの設計図書がある場合には、必ずソーラーパネル施工会社へ確認してもらいましょう。逆に、外観などだけで「設置できます」と簡単に勧めてくる施工会社には注意が必要です。建物が耐えられる負荷荷重以上のものを屋上に設置してしまうと、耐震性能が落ちてしまいます。
負荷荷重と合わせて考慮すべきなのが、「メンテナンス」についてです。ソーラーパネルのメンテナンスについてはもちろんですが、屋上防水を定期的にメンテナンスできるようにしておくことは不可欠です。ですから、設置計画を立てる際には、必ず防水施工業者にも事前確認してもらいましょう。
その③ 架台の正しい設置
パネル設置のための架台を取り付ける方法が主に2種類あります。
アンカーレス設置
アンカーによって固定しない設置方法で、既存の防水をいじらずに施工できます。そのため、防水保証が継続されるのがメリットです。ただし、パネルが強い風に晒されると転倒する恐れがあるため、設置環境の風速制限や高さ制限があります。
アンカー固定設置
架台をアンカーによって屋上へしっかりと固定する方法です。既存の防水保証は失効されることが多いため、アンカーレス設置より劣っているイメージがありますが、正しい防水補修を施せば問題ありませんし、固定力は強く転倒などのリスクが少ないと言えます。
設置環境や設置面積によって、どちらの設置方法が良いかが異なります。ですから、ソーラーパネル設置を検討する際には、ソーラーパネル施工会社と防水施工会社の双方に、どちらの工法がより適しているか相談しましょう。
軽量・安心・安全のソーラー架台なら「PV-FIX」がおすすめ
ここまでお話ししてきた通り、ソーラーパネル設置によるトラブルを防ぐためには、「負荷荷重」と「雨漏り対策」に十分注意しなくてはいけません。それらを一手に解決できるのが、田島ルーフィングの「PV-FIX」です。
- 架台設置に必要な基礎を軽量化
- 各種防水層の納まりに対応できる設計
- 台風・突風やゲリラ豪雨を想定した安全性
- 低くてシンプルな架台デザイン
まず、通常の架台設置のための基礎を、湿式(コンクリート基礎)ではなく乾式(鋼製部材利用)にしたことで、段違いの軽量化を実現しています。そのため、建物への負荷荷重を軽減でき、荷重制限で設置ができない場合でも設置の可能性が高まります。また、設置後の防水メンテナンスも簡単です。
そして、アスファルト防水・シート防水・ウレタン防水など、各種防水構造にも設置可能であるため、設置場所を選びません。また、硬質ウレタンフォームを敷いた屋上断熱防水にも対応可能なのも特徴です。
低くてシンプルな架台デザインも魅力の一つで、ソーラーパネルが屋上から飛び出したことで外観を損ねてしまわぬよう、極力低く設置ができるような設計になっています。
〈工法の詳細は下記ページをご覧ください〉
田島ルーフィング|PV-FIX
工事店はどうやって選ぶ?業者選びに困ったら関防協へご相談を!
工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へお気軽にご相談ください。当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループです。東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。そのため、様々な防水トラブルについてご相談いただけます。当HPではマップ上での施工店検索もでき、建物の防水層改修調査も承っておりますので、ぜひお気軽にご活用ください。
〈関連ページ〉
下記コラムでは、施工会社の選び方を詳しく紹介しています。どこに頼めばいいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ|ソーラーパネルの活用は防水対策が必須
今回は、ソーラーパネル設置に伴うトラブルについて、その原因と対策、おすすめの工法について詳しく解説しました。ソーラーパネルはコスト面や環境的観点からも、設置して損はない設備です。しかし、しっかりと防水対策を施さなくては建物の寿命を縮めかねません。検討する際には、必ずソーラーパネル施工会社だけではなく、防水の施工会社にも相談するようにしましょう。「信頼できる業者がわからない」そんな方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合のネットワークで信頼できる工事店を探してみてください。都道府県別に登録業者を検索できるため、近くの工事店を簡単に見つけられます。少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。