プールのメンテナンス時期や方法は?改修目安やおすすめの工法を詳しく解説

暖かい陽気の日も増え、夏に向けてプールのメンテナンスを検討し始める方も増えてきたでしょう。しかし、具体的にどのような状態になったら改修を検討しなくてはいけないのか、分からない方も多いかもしれません。

そこで、今回はプールのメンテナンス時期やお手入れのサインについて解説します。オススメの工法も紹介しますので、プールの改修を検討中の方は是非参考にしてください。

このコラムのポイント
・利用者の安全を守り、プールそのものを長持ちさせるためには、早めに劣化サインを見つけて処置しなくてはいけない。
・最新の工法を用いることで、高い性能と安全を確保できる。




プールの安全を守るためには日々の点検が重要

プールを衛生的且つ安全に保つためには、日々の点検がとても大切です。そして、それに加えて定期的な改修は、プールを健全な状態で保つためには欠かせません。

メンテナンスが必要な場所は以下の通りです。

  • プール槽(プール躯体)
  • プールサイド
  • 設備機器


その中でも、プール槽のお手入れを怠ってしまうと、躯体コンクリートの劣化の要因となって深刻な漏水が発生してしまいます。さらに、被害はプール周辺だけでは収まらず、莫大な修理費用がかかってしまうでしょう。

ちなみに、プール躯体の寿命は25年程度ですが、それはあくまでもしっかりとメンテナンスを施している場合に限ります。ですから、放置して大規模な全面改修にならないように、こまめな点検と部分改修をしなくてはいけないのです。

一方、プールサイドのメンテナンスは放置しても漏水の原因となる可能性は低い。しかし、お手入れをしないと怪我などの事故リスクが高まりますし、クラックから雨水が浸入すれば、耐久性は維持できません。

ポンプなどその他の機器については、故障してから交換しても問題ありませんが、気づかないうちに壊れてしまうと、水質汚染は避けられないでしょう。ですから、健康被害を未然に防ぐためにも、設備機器の保守点検はきちんと行ってください。

プールの長寿命化や事故ゼロにするためには、日々の清掃や点検を行い、劣化サインを初期段階で見つけることです。なぜなら、プール槽やプールサイドは不具合が起きてから改修するのでは、遅い場合がほとんどだからです。事故や費用のかかる工事を避けるためにも、異変を速やかに見つけて対処することを意識しましょう。


プール防水の劣化サインは?メンテナンス時期はどう見極める?

プールの改修において、最も重要で速やかな処置が必要なのが「防水」です。では、具体的にどのような劣化が見られた場合にメンテナンスを検討すべきなのでしょうか。ここでは、プール防水の劣化サインを紹介します。

プール槽

プール槽は、コンクリート躯体の上に防水塗装が施されており、その塗膜が劣化すると最終的にひび割れを引き起こします。つまり、塗膜の劣化が深刻化する前に、メンテナンスをしなくてはいけません。塗膜の劣化は段階的に進行しますので、早めにそのサインを見つけましょう。

防水塗装が色あせる

プール槽内部は長期間水に浸った状態です。そのため、水に含まれた塩素剤によって少しずつ劣化します。また、水が入っていない状態だと、紫外線を多く受けるため、同様に劣化してしまいます。

この段階では塗膜の表面のみ劣化して色褪せる程度ですが、この状態から10年以上放置してしまうと、深刻な問題に発展しかねません。

塗膜に細かいヒビ割れが発生する・部分的に膨らむ

劣化が進むと、塗膜に細かいヒビが発生してきます。その状態でもすぐに躯体に悪影響を及ぼしませんが、そのままにすれば徐々に水が侵入する可能性は高くなります。

塗膜が部分的に膨らんでいる箇所があれば、水が浸入しているサインです。その場合は、速やかな補修が必要となります。

塗膜が剥離し、ささくれ立つ

ひび割れや膨れをさらに放置すれば、塗膜自体が剥離して、躯体コンクリートがむき出しになってしまいます。そうなると、防水機能は意味を成さず、コンクリート内部の鉄筋の腐食を引き起こします。

万が一広範囲な剥離ではなかったとしても、プールは裸足で入るため、剥がれかかった塗膜が引っかかったり、コンクリートにぶつかって怪我してしまう恐れがあります。

躯体コンクリートの爆裂

塗膜が剥がれ落ちた部分やひび割れた部分からコンクリート内部へ水分が侵入すると、内部の鉄筋が腐食して膨張し、コンクリートを押し上げて大きなひび割れを引き起こします。この現象を「爆裂」と言います。

爆裂は、コンクリートに段差ができるほどの大きなひび割れや欠損をもたらすため、補修では対処しきれなくなる恐れもあります。


ポイント
プールの防水塗装は、目立った不具合が見受けられない場合でも、放置すればするほど改修コストが多額になる恐れがあるため、10年に一度程度塗り替えが必要です。




プールサイド

プールサイドは常に水に触れている訳ではないため、防水の重要性が低いように感じられるかもしれませんが、こちらも同様にきちんと改修をしなければ、プールサイドそのものが劣化するだけではなく、躯体コンクリートまで悪影響を及ぼします。以下の劣化サインに注意しましょう。

排水口や側溝が詰まっている

排水口や側溝がゴミなどで詰まってうまく排水できていないと、プールサイドまで水が氾濫し、衛生的でないだけではなく、表面塗膜の劣化を早めてしまいます。定期的に清掃するように意識しましょう。

ところどころ塗装が摩耗している

人がよく歩く部分は端などと比べると、明らかに劣化が早いです。明らかに塗膜が薄くなっていたりしていれば、正常な防水機能は発揮できていません。

部分的にコケや藻が発生している

日陰の場所や水はけが悪い場所にコケや藻が生えているのを見つけたら要注意です。塗膜の撥水性が落ちている証拠で、そのまま放置すれば劣化が急速に進みます。また、躯体の傾斜が排水口に向かって正常にとられていない可能性もあるため、塗装補修だけでは改善しない可能性もあります。

塗膜が部分的に膨れている

塗膜のキズやひび割れから水が侵入すると、プール槽と同様に部分的に膨れてきます。膨れている箇所は耐久性が低いため、放置すれば被害が拡大するだけではなく、大きな塗膜剥離も引き起こします。

塗膜の摩耗が進行して剥離し、躯体が露出している

最終的に塗膜が剥離すると、躯体コンクリートが露出します。常に濡れていない場所であっても、屋外であれば雨の影響を直に受けてしまいますし、怪我の原因にもなります。


ポイント
プールサイドの防水劣化は、プール槽ほどすぐに大きな問題には発展しないものの、長期的に見れば躯体へダメージを与えるだけではなく、利用者の怪我の原因になってしまいます。改修のタイミングで、より安全な専用シート材へのやりかえもおすすめです。



築10年超えのプールは要チェック!メンテナンスチェックリスト

プールの防水は、最低でも10年に一度程度のメンテナンスが必要です。しかし、立地条件や使用方法、日々のお手入れ方法によっては、それよりも早いスパンで劣化してくる可能性は大いにあります。

手遅れにならないように、定期的に以下のポイントについて点検するようにしましょう。

プール槽

点検箇所緊急性対処方法
塗装の色褪せはないかすぐに深刻な問題にはならないが、長期的メンテナンス計画を検討し始める時期。
表面の塗膜にひび割れはないかすぐに深刻な問題にはならないが、速やかに塗り替えなどを検討するのがおすすめ。
はしごなどの付帯金属部に腐食はないか腐食部分からコンクリート内部まで水が伝わる恐れがあるため、鉄部補強および再塗装が必要。
塗膜の膨れや剥離はないか既に躯体コンクリートの内部まで水が侵入している恐れがあるため、早めの塗り替えが必要。
躯体クラック(大きなひび割れや爆裂)はないか既に躯体全体に被害が拡大している恐れがあるため、全面的な改修を検討しなくてはいけない。



プールサイド

プールサイドの点検箇所緊急性対処方法
塗膜の摩耗はないかすぐに深刻な問題にはならないが、長期的メンテナンス計画を検討し始める時期。
排水口や側溝の詰まりはないかすぐに深刻な問題にはならないので、発見したら定期的な清掃を徹底する。
コケや藻は生えていないかすぐに深刻な問題にはならないが、撥水性が落ちているため、そろそろ塗り替えを検討する必要がある。
合わせて、傾斜に問題があるかどうかを、施工会社に調査してもらう。
塗膜の剥離や膨れはないかプール槽ほど緊急性は高くないものの、早めの塗り替えが必要。
「熱くて歩けない」という意見は出ていないか従来の防水塗料では根本的な解決にならないため、シート材や遮熱塗料を用いた工法を検討するのがおすすめ。
怪我の原因となる突起や亀裂はないか既に躯体コンクリートの内部まで水が侵入している恐れがあるため、早めの塗り替えが必要。
躯体クラック(大きなひび割れや爆裂)はないか既に躯体全体に被害が拡大している恐れがあるため、全面的な改修を検討しなくてはいけない。





“オルタックスプレーUA”でプール槽を丸ごと改修

引用:田島ルーフィング|オルタックスプレーUA

プールの水は、人の肌に直接触れるだけではなく、口に入る可能性が高いため、、プール槽内の塗装をする際には、高い安全性が必要となります。そこでおすすめなのが、田島ルーフィングのオルタックスプレーUAです。

  • 材料に一切溶剤を含まず、施工時に化学反応による有毒ガス発生の恐れが一切ない。
  • 瞬間硬化型のボリウレア樹脂を塗布するため、水質に影響を与えない。
  • スプレーで施工するため、大幅に施工効率が向上し、施工品質の安定が確保できる。
  • 伸縮性のある塗膜が形成されるため、コンクリートに生じる軽度なクラックには追従できる
  • 耐酸性、対アルカリ性、耐候性に優れているため、屋外プールなどの過酷な環境でも効果が発揮できる。


従来の防水塗膜と比べても、人間の体に悪影響を及ぼすリスクがなく、スプレー施工なのでシームレスな均一性の高い塗膜を作れることが大きなメリットです。また、材料に含まれるポリウレア樹脂は、他の素材との化学反応が起きにくく、衝撃に強い弾性を兼ね備えています。

プールは短期間で確実に施工しなくてはいけないケースが多いため、ぜひオルタックスプレーUAを検討してみてください。


〈関連ページ〉
下記ページでは、オルタックスプレーUAの詳細がご覧いただけます。

田島ルーフィング株式会社|オルタックスプレーUA工法



柔らかい踏み心地&日射反射の“ビュージスタAQUA”で安全なプールサイドに

引用:田島ルーフィング|ビュージスタAQUA

従来のプールサイドでよく見かける塗装仕上げは、滑り止め塗料で表面がザラつき、コンクリート躯体に塗装を施しているだけなので、硬くて怪我そしやすいのが現状です。また、真夏の屋外ブールでは、熱くて歩けないという場面もよく見かけるでしょう。

そのようなプールにおすすめなのが、田島ルーフィング・複層ビニル床シート「ビュージスタAQUA」です。

  • 踏み心地がソフトで、足への負担や怪我のリスクを軽減できる。
  • 高日射反射性能を備えているので、表面の温度上昇を抑制できる。
  • 紫外線や雨の影響を受けにくいため、屋外プールにも施工できる。
  • 濡れても滑りにくい。
  • 防水塗料メーカーの製品なので、プール槽内や周囲の側溝などの取り合い部と合わせたトータルメンテナンスが可能。
  • 豊富なカラーバリエーション。

塗装仕上げのプールサイドと比べても、歩行への負担が軽くなるだけではなく、美観を劇的にグレードアップできます。プールサイドの改修を検討する際は、ぜひビュージスタAQUAも合わせてご検討ください。

〈関連ページ〉
下記ページでは、ビュージスタAQUAの詳細がご覧いただけます。

田島ルーフィング株式会社|ビュージスタAQUA



まずは、関防協の「防水改修調査診断員」へご相談を

工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。

当HPでは、防水改修調査診断員による無料診断も申し込みや、マップ上での施工店検索ができます。ぜひお気軽にご活用ください。




まとめ|安心・安全にプールを楽しむために防水改修をしましょう

今回は、プールのメンテナンス時期の見分け方やオススメの工法について解説しました。プールの改修は大規模になるため、なかなかメンテナンス計画を立てにくい場合も多いかもしれませんが、軽度な劣化の状態で確実に補修しなければ、躯体内部まで劣化が進行し、大規模な改修工事をしなくてはいけなくなってしまいます。

手遅れにならないように、専門の施工会社に定期点検をしてもらうなど、常に劣化部位を見つけられるようにしておきましょう。


〈関連ページ〉
プールの改修方法について詳しく知りたい方は、下のページをご覧ください。

田島ルーフィング株式会社|POOL & POOL SIDE


私たち関防協では、現状の建物調査も承っております。「信頼できる業者がわからない」そんな方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合のネットワークで信頼できる工事店を探してみてください。都道府県別に登録業者を検索できるため、近くの工事店を簡単に見つけられます。少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。



運営者情報

関東防水管理事業協同組合事務局

関東防水管理事業協同組合事務局

建設防水業界トップシェアの田島ルーフィングが主催する、改修工事に特化した工事店ネットワーク。
日々進化する防水工法や現場のニーズに合わせた最適な対応を行うため、施工技術者の育成にも取り組んでいます。
当サイトでは、マンションなどの一般住宅から店舗、大型ビルなど、さまざまな現場を見てきた防水のプロが豊富な知識と経験を活かして防水工事についてわかりやすく解説します。

主な資格
建築士 コンクリート診断士 宅地建物取引士 防水改修調査員

関防協(関東防水管理事業協同組合)について