マンションの寿命は何年か|構造別法定耐用年数の違いと資産価値を保つ長寿命化の重要性

マンションの寿命について調べると、「40〜50年」という情報を見かけた方も多いのではないでしょうか。
これは、税務上の法定耐用年数が基準であり、実際にそのマンションで住み続けられる期間とは必ずしも等しくありません。
マンションは、大規模修繕工事によって長寿命化することが可能です。
マンションは適切に管理・修繕すれば、60〜100年以上住み続けられる場合もあります。
そこで本記事では、「マンション」の平均寿命や、寿命を縮める要因、長寿命化の重要性をわかりやすく解説します。
寿命が短い・長いマンションの共通点や、長寿命化の具体的な方法、築年数が古いマンションで建て替えと改修で迷った際のチェックポイント、大規模修繕工事の費用相場など、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
コラムのポイント
- マンションの寿命が40〜50年と言われる理由は、法定耐用年数にありますが、建物を使用できる期間とは異なります。
- マンションを長寿命化するためには、定期的な長期修繕計画の見直しと、建物診断・大規模修繕工事の実施が必要です。
- マンションの長寿命化を目的とした大規模修繕を検討中の管理組合様は、信頼でき実績が豊富な施工業者をお選びください。
Contents
マンションの平均寿命は何年か|法定耐用年数と物理的・経済的・機能的耐用年数の違い

マンションの寿命といっても、その概念にはいくつか種類があり、それぞれ年数が異なります。
構造別の法定耐用年数
マンションの寿命が「40〜50年」と言われる根拠は、法定耐用年数にありますが、建物の物理的な寿命とは等しくありません。
法定耐用年数とは、税法で定める不動産の種類ごとに定められている年数で、「帳簿上で資産価値が消滅するまでの期間(=減価償却できる期間)」です。
法定耐用年数は、不動産の種類によって異なり、建物については構造ごとに設定されています。
| 構造の種類
(住宅用建物) |
法定耐用年数 |
|---|---|
| 木(W)造 |
|
| 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造
鉄筋コンクリート(RC)造 |
|
| 鉄骨(S)造 |
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(参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表)
上記の通り、マンションで多い鉄筋コンクリート造の法定耐用年数が47年であることから、「マンションの寿命=40〜50年」と言われるのです。
しかし、法定耐用年数はあくまでもその取得費用を分けて経費計上できる期間であり、それを超えても建物として現存する物件は少なくありません。
物理的耐用年数(=建物寿命)
物理的耐用年数とは、建物が物理的に使用できなくなる(住めなくなる)までの期間を指し、みなさんがイメージする寿命と同じ意味です。
日本における鉄筋コンクリート造マンションの平均的な物理的耐用年数は「68年」とされており、築100年を超える物件も実在します。
(参考:国土交通省|「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介)
また、最新の調査では、築50年を超えるマンションが全国で約44.7万戸もあることがわかっています。
(参考:国土交通省|マンションに関する統計・データ等|分譲マンションストック数の推移)
経済的耐用年数
経済的耐用年数とは、建物の資産価値がなくなるまでの年数を指し、その期間はマンションの立地・グレード・修繕履歴など多くの要素によって変動します。
日本は、欧米諸国よりも経済耐用年数が短いとされており、一般的な中古マンションの場合、築30年を超えると価格が下げ止まり、新築時の20〜30%程度まで価格が下がる場合が一般的です。
(引用:公益財団法人 東日本不動産流通機構|レインズライブラリー|マーケットデータ|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年))
上のグラフから分かる通り、物件を中古マンション市場に新規登録する場合に築5年以下と築10年以上では、価格が約25%も下がる傾向があります。
その要因は、日本の中古物件における市場価値の決め方にあり、原則として残存法定耐用年数に応じて販売価格が設定され、建物のメンテナンス履歴などは反映されません。
(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装 設備の更新による価値向上について)
この状況を打開するために、日本でも建物の管理状況や修繕履歴を踏まえた中古物件の評価制度が検討され始めています。
(参考:国土交通省|とっとり住宅評価システム「T-HAS」を活用した住宅ストックの性能向上)
機能的耐用年数
機能的耐用年数とは、建築技術の発展や世間における生活スタイル・社会的ニーズの変化によって、建物が新築時の用途から変わってしまう(陳腐化する)までの期間を指します。
物理的耐用年数と混同されがちですが、機能的耐用年数は、建物が使用できる状態かどうかに関係なく、「使用できるが、住みにくい・需要が著しく少ない」状態になるまでの年数です。
そのため、新築からどのような改修工事を行なったかによって、機能的耐用年数は異なります。
近年は、古いマンションをコンバージョン(用途変更)して店舗として使えるようにしたり、バリアフリー改修を行ったりするなど、機能的耐用年数を伸ばす取り組みが増えています。
マンションの寿命を縮める主な要因

いくつかある建物の耐用年数において、最も重視されるのが「物理的耐用年数(=寿命)」ですが、その期間を左右するポイントは主に4点あります。
建物構造の劣化
経年劣化によって外壁や屋上・バルコニーなどの防水性能が低下すると、雨水が建物の構造内部に侵入し、深刻な劣化をもたらします。
また、長い間給排水管が更新されていないと、水漏れによってやはり構造躯体がダメージを受けます。
マンションにおける雨水・漏水による主な劣化現象は以下のとおりです。
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これらの劣化は、マンションの内観・外観を損ねるだけでなく、建物の強度の劣化につながりかねません。
長期修繕計画の不備や未更新
長期修繕計画の内容が適切でないと、計画的な大規模修繕工事を行えません。
長期修繕計画とは、マンションの機能・資産価値の維持や向上を目的に、共用部の修繕項目・修繕時期(周期)と、それを実行するためにかかる概算費用と修繕積立金の額などが記されます。
以下のケースに当てはまる場合は、マンションの寿命を縮めてしまう可能性があるので注意が必要です。
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(参考:国土交通省|「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の見直しについて)
長期修繕計画を長年放置すると、修繕積立金を適正額まで値上げできません。
修繕金が不足すると、大規模修繕工事を先送りにするか、区分所有者から一時金を徴収したり、管理組合でローン契約したりすることになってしまいます。
修繕金不足・未回収率の増加
近年、大規模修繕計画に対して、修繕金が不足しているマンションが増加しており、社会問題になりつつあります。
国土交通省の調査によると、計画上必要な修繕金額より実際に回収できている修繕積立金総額の方が下回っているマンションは、全国で「36.6%」、そのうち20%超不足している物件は「11.7%」にも上ることが判明しました。
(参考:国土交通省|マンションに関する統計・データ等|令和5年度マンション総合調査 ※2026年3月時点の最新データ)
その主な原因として考えられる点は、以下のとおりです。
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これらの問題は、大規模修繕工事の実施を妨げ、マンションの寿命を縮めてしまう可能性があります。
管理不足・区分所有者による意思決定の遅れ
管理費不足に陥るマンションも増えており、建物の管理不足による劣化が進んでいたり、管理組合が機能していなかったりすると、適正な時期に適正な修繕工事を実行できません。
また、管理不足の状態が長く続くと、住民や区分所有者の大規模修繕工事への意識が低くなり、様々な意思決定が遅れる可能性もあります。
区分所有者の合意形成がなされないと、修繕積立金が不足していても値上げできず、大規模修繕工事の実施が危ぶまれかねません。
また、管理費を減らすために自主管理にしてしまうと、大規模修繕計画を進める上で管理会社からサポートを受けられず、適切な工事時期を逃してしまう恐れもあります。
寿命が短い・長いマンションの共通点

寿命(物理的耐用年数)が短いマンションと長いマンションには、それぞれ明確な共通点があります。
| 寿命が短いマンション |
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| 寿命が長いマンション |
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※長期修繕計画の作成は、法的な強制義務ではなく努力義務で、管理組合に作成と定期的な見直しを求めているものの、未作成でも直接的な罰則は課せられない
(参考:国土交通省|マンション管理|マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針)
ご自身のマンションがどちらに当てはまるか不安な場合は、専門家による建物診断を受けることで客観的に判断することが可能です。
また、「寿命が短いマンション」の特徴に当てはまる物件にお住まいの方は、早めに大規模修繕コンサル会社や建築士、防水・塗装施工会社に相談し、大規模修繕工事の計画を進めましょう。
マンション長寿命化の重要性|資産価値の維持には必須

マンションの劣化や老朽化を放置すると、建物の耐久性や意匠性が低下し、資産価値が落ちてしまう可能性があります。
また、大規模修繕工事を適正な周期で行わないと、いざ改修工事をする際に費用が増え、区分所有者への負担が大きくなるケースも少なくありません。
そのため、マンションでの安心安全な暮らしと資産価値を維持・向上するためには、定期的に大規模修繕工事を実施し、マンションの「長寿命化」を図っていくことが極めて重要です。
工事内容によっては、マンションの価値向上にもつながります。
マンション長寿命化の具体的な方法

マンションの建物寿命を長くするためには、物理的耐用年数と機能的耐用年数を延ばすことが重要です。
長期修繕計画の定期更新・修繕積立金の最適化
建物の物理的耐用年数を延ばすためには、定期的な建物調査と大規模修繕工事の実施が欠かせず、それを実行するためには「適正な修繕積立金の設定」が必要です。
国土交通省が推奨する「5年ごとの長期修繕計画見直し」を徹底し、都度、以下の点を精査しましょう。
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(参考:国土交通省|マンションの修繕積立金に関するガイドライン)
近年増えているのが「6.積立方法の見直し」です。
マンションの区分所有者から徴収する修繕積立金には2種類あります。
| 積立方式の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 段階増額積立方式 |
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| 均等積立方式 |
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(図引用:国土交通省|マンションの修繕積立金に関するガイドライン)
多くのマンションが採用する「段階増額積立方式」は、将来的に値上げすることを前提としていますが、区分所有者の合意形成ができないと、修繕金が徐々に不足する問題を抱えています。
そのため、国土交通省は早い段階で修繕積立金の値上げを進め、毎月の負担額をならす「均等積立方式」へ変更することを推奨しています。
均等積立方式に変更すると、区分所有者が高齢化して収入減少する場合も、費用負担を抑えることが可能です。
定期的な区分所有者の実態把握
近年、区分所有者不明住戸が増加しており、管理費・修繕積立金を回収できない事例が発生しています。
区分所有者不明住戸とは、区分所有者が不明もしくは連絡を取れない住戸を指し、国土交通省の調査では、全国に3.3%ほど存在するというデータが出ました。
(参考:国土交通省|令和5年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状)
区分所有者不明住宅となる原因は、区分所有者本人の死亡や、売却に伴う管理組合への所有者変更届の未提出、相続時の区分所有権未登記などが考えられます。
区分所有者不明住戸が増えると、以下のような問題をもたらします。
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また近年は、海外在住者によるマンション管理費・修繕積立金の未回収問題に直面するマンションは少なくありません。
(参考:国土交通省|(参考)ヒアリング調査等において示された外国人取引対応における留意事項の例)
これらの問題を未然に防ぐためには、定期的な区分所有者の実態把握が必要になります。
区分所有者への要望調査
長期修繕計画を見直すタイミングで、区分所有者から今困っている点や改善して欲しい点をヒアリングしましょう。
マンションを長寿命化する上で、建物の劣化を防ぎ物理的耐用年数を延ばすことは重要ですが、併せて住民の変化に対応し、長く住み続けられるようにする(機能的耐用年数を延ばす)ことも必要です。
外回りの補修に加えて、以下の工事が大規模修繕工事に取り入れられます。
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専門家による建物診断の実施
マンションの長寿命化において最も重要な点は、「建物の状況を把握する」ことです。
「どこにどのような劣化が生じているのか、その劣化はいつまでに修繕すべきか」を、専門家に細かく診断してもらいましょう。
診断結果は、長期修繕計画の客観的な根拠となり、修繕積立金の値上げをスムーズに進めるためにも必要です。
建物診断の実施周期は法令で定められていませんが、長期修繕計画を見直すタイミングに加えて、目視で劣化を確認した場合に行うのが原則です。
マンションで実施される建物診断のチェック項目は以下のとおりです。
| 部位 | 調査項目 |
| 構造躯体 | ひび割れ・亀裂・爆裂・欠損・コンクリート中性化・鉄部のサビなど |
| 防水 | 屋上・ルーフバルコニー・各戸バルコニー・開放廊下の防水層や防水塗膜など |
| 外部塗装 | 外壁・開放廊下の天井・鉄部などの浮き・剥離・割れ・欠損・付着力低下 |
| シーリング | 外壁・窓サッシや玄関ドア周り・タイル打継目地などのひび割れ・剥離・痩せ |
| 共用設備 | 自動ドアや集合ポスト、ゴミ集積所、機械式駐車場、貯水タンクなど |
| 給排水・電気・衛生設備 | 給排水管・給排水ポンプ・電気幹線・換気設備・消火設備・非常設備など |
| 内部仕上げ | 床・壁・天井 |
診断士は、これらの項目について、目視や打診を用いて細かく調査します。
調査費用は建物の規模や診断の詳細度によって異なりますが、小中規模のマンションでは、20〜100万円/回が相場です。
「築25年以上経っていて、今まで一度も大規模修繕工事をしていない」「修繕履歴が残っていない」「屋上防水のやぶれなど、目にみえる劣化がある」というマンション管理組合様は、早めに専門家へ建物診断をご依頼ください。
マンションの長寿命化は信頼できる施工会社に相談を

マンションの長寿命化を実現させるためのポイントは、「実績のある施工業者を選ぶ」という点です。
マンションの大規模修繕工事は費用が数千万円かかるため、2〜3社から相見積もりをとる方法をおすすめします。
施工業者を選ぶ際には、詳細な見積もりを提案する会社を選びましょう。
見積書に工事方法や材料の仕様が書かれておらず「一式」で計上されている項目が多い場合は、事前に詳細を業者に確認する必要があります。
関東防水管理事業協同組合(関防協)では、防水改修診断員が無料で現地に出向いて調査・診断する「無料訪問診断」と、屋上防⽔の改修費⽤を補助する「バリュープラスキャンペーン」を実施しております。
「マンションの劣化が進んでいるが、どこに相談すればいいか分からない」「まずはプロの診断を聞きたい」という方は、お気軽に私たちまでご相談ください。
マンション寿命に関するよくある質問

ここでは、多くの方からいただく「マンションの大規模修繕工事」に関するご質問を紹介します。
Q.築何年でマンションは建て替える? 建て替えと改修はどちらがいい?
A.マンションの建て替え事例から算出する平均築年数は45.6年ですが、全てが建物の老朽化によるものではなく、改修を選ぶケースが大半です。
マンション再生協議会の調査によると、2003年に「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替法)」が施行されてから、全国で300棟以上建て替えられており、その際の築年数は以下のとおりです。
【マンション建て替え時の築年数】
|
これらの建て替え理由は、必ずしも建物寿命を迎えたためではありません。
【マンション建て替えの主な理由】
|
そのため、大規模修繕と建て替えで迷った際には、建築士などの専門家に相談しましょう。
建て替えを検討する際には、以下の点に注意が必要です。
|
これらの点から、国土交通省では、マンションを日頃から適正に管理し、大規模修繕工事の実施によって長寿命化する指針を掲げています。
(参考:国土交通省|マンション長寿命化・再生円滑化について)
Q.マンションの長寿命化を目的とする改修工事の費用はどのくらい?
A.一般的な大規模修繕工事にかかる平均費用は「7,600〜8,700万円」程度ですが、建物の規模やこれまでの実施回数によって、コストは変動します。
| 1回目の大規模修繕工事 | 中央値8,665.0万円・平均値15,237.4万円
(中央値110.2万円/戸・平均値151.6万円/戸) |
| 2回目の大規模修繕工事 | 中央値7,660.0万円・平均値11,702.7万円
(中央値106.1万円/戸・平均値112.4万円/戸) |
| 3回目以降の大規模修繕工事 | 中央値8,703.0万円・平均値8,703.0万円
(中央値97.0万円/戸・平均値106.1万円/戸) |
※()内は、大規模修繕工事にかかった費用を戸数で按分した場合の費用です。(税抜き価格・共通費別途)
※上記データは5年前のもので、さらに値上がりしている可能性が高いため、ご注意ください。
(参考:国土交通省|令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査)
高性能な仕様や、バリアフリー工事など機能的耐用年数を延ばすための工事を含めると、上記金額より高くなる場合が一般的です。
ただし、屋上防水などに長寿命な仕様・工法を採用すると、次回以降の工事費用は抑えられたり、工事周期を延ばせたりする可能性があります。
関防協は、防水工事の「エキスパート集団」です。

工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。
当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計192社の正会員がおります(2026年1月時点)。
また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修診断員」の育成を実施しています。
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