マンションの最上階が暑い原因とは?共用部・専有部の対策と費用、根本的な解決方法を解説

マンションの最上階が暑い原因とは?共用部・専有部の対策と費用、根本的な解決方法を解説

「マンションの最上階に住んでいるが、部屋が暑すぎてエアコンが効かない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。

マンションやビルの最上階が暑くなる原因は、主に建物の断熱性能不足にあります。

そのため、解決には専有部・共用部それぞれで暑さ対策を講じなくてはいけません。

そこで本記事では、マンション・ビルの最上階が暑くなる原因と、暑さを放置することで生じる問題、専有部・共用部それぞれの対策方法と費用目安をわかりやすく解説します。

最上階の暑さを根本的に解決できる屋上防水の改修方法や、その他多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

コラムのポイント

  • マンションの最上階にある住戸が暑くなる最大の原因は「屋上から伝わる日射熱」です。
  • マンションの暑さ対策には、専有部でする工事と共用部でする工事があります。
  • マンションの屋上から伝わる暑さを軽減したい方は、「断熱防水改修・サーモコントロール断熱」がおすすめです。

 

Contents

マンション最上階が暑い主な原因

マンション最上階が暑い主な原因

「マンションの最上階は住まない方がいい」と言われるほど、暑さが問題視されるケースも多いですが、最上階の住戸が暑くなる原因は、主に4つあります。

暑さでお困りの方は、建物がどの条件に当てはまるか確認するところから始めましょう。

建物の立地(日当たり)

周囲に日射を遮る背の高い建物や樹木がないと、長時間、日射熱の影響を受けます。

特に通年を通じて日射量が多い水平面(屋上やバルコニー)や、夏に日射量が増える東西面に影を作る建造物がないと、暑さの原因になるので対策を検討しましょう。

窓の断熱性能不足

窓は、建物の外皮(屋内外を隔てる境界となる部分)の中でも、特に熱が流入する部分であるため、断熱性が低いと室温上昇の要因になります。

外皮からの熱エネルギーの出入り

(引用:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ住宅

窓が向いている方角とガラスの種類によって、日射熱の影響は異なりますが、一般的には「上面(天窓など)▶︎南東面▶︎東面▶︎南西面▶︎西面▶︎南面▶︎北東面▶︎北西面▶︎北面」※の順で暑さを取り入れやすいとされています。

※建物の断熱性能を評価するηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)の算定に用いる方位係数は、数値が少ないほど日射量が少ないため、そこから算定

(参考:国土交通省|ライブラリー|設計・施工・監理関係|住宅の省エネルギー基準と評価方法2024

日射熱の影響を受けやすい南東面などの窓でも、サッシ枠やガラスが高断熱仕様であれば室温の上昇を抑えられますが、一般グレードのマンションにペアガラスや高断熱サッシが導入され始めたのは1990年代に入ってからです。

(参考:国土交通省|脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会|第2回配布資料|資料3-8日本建材・住宅設備産業協会等資料

そのため、それ以前に建てられたマンションは、窓の断熱性能が新しい物件と比較して著しく低い可能性があります。

外壁などの断熱性能不足

古い建物ほど外壁などの断熱性能が低く、新築や築浅の物件と比べて室温が外気温の影響を受けやすい場合が一般的です。

築30年に近いマンションでは、新築時に建物の断熱性能はあまり重視されなかった可能性は決して低くありません。

最大の原因は「屋上から天井に伝わる日射熱」

窓や外壁が受ける日射量は、方角や季節や時間帯によって異なりますが、屋上は通年を通じて多くの日射を受けるため、最上階の部屋が暑くなる最大の要因となります。

マンションやビルの屋上には、防水層の下に断熱材が敷き込まれているのが通常ですが、それでも日当たりがいい場合などは暑さを十分に遮断できません。

屋上の納まり図

(引用:国土交通省|建築工事標準詳細図(4)|屋上パラペット(アルミニウム製笠木)

断熱材でも遮断しきれなかった日射熱はコンクリートに蓄えられ、日中だけでなく夜間まで放熱され、室温に影響を及ぼします。

マンションの築年数で異なる最上階の暑さ

マンションの築年数で異なる最上階の暑さ

2025年4月以降に新築されたすべての建物は、省エネ基準への適合が義務付けられており、一定の断熱性能を有していますが、それ以前はあくまで任意であり、建築基準法などの法的拘束はありませんでした。

(参考:国土交通省|令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!

そのため、1990年代までに建てられたマンションには、建物や窓の断熱性能が低い物件が多いのが実情です。

特に築30年を超える1992年※以前に建てられたマンションは、最上階の暑さに注意しましょう。

※1992年に省エネルギー基準が改正され、新省エネ基準(断熱等性能等級3相当)が初めて制定される

2000年代に入るとマンションを選ぶ人が建物の省エネ性を意識し始めたこともあり、断熱性能を重視した新築マンションが増えて、省エネ基準に適合するものは全体の81%にも上ります。

(参考:国土交通省|【参考】住宅における外皮性能

マンション最上階の暑さを放置することで起きる問題

マンション最上階の暑さを放置することで起きる問題

最上階にある部屋の暑さを放置すると、住民の快適な生活が損なわれるだけではなく、その他のトラブルも引き起こします。

住民からのクレーム発生

最上階に住んでいる方から、暑さや電気代の増加に関するクレームを受ける可能性があり、賃貸物件では、空室増加をもたらします。

また、近年の電気料金高騰によって、真夏でもエアコンの使用を控える人が増えており、室内で熱中症を発症する事例は少なくありません。

2025年に熱中症を自宅で発症した方の割合は、全体の38.1%にも上り、屋外での件数を大きく上回りました。

(参考:総務省消防庁|熱中症情報|令和7年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況

そのため、最上階の暑さを放置することにより、事故の発生リスクが高まる可能性もあります。

建物の劣化

屋上の防水層やコンクリート躯体が直射日光による日射熱を受けると、最上階の住戸が暑くなるだけではなく、躯体下の室内側に結露が発生する場合があります。

築年数が経つマンションの屋上は、スラブ下断熱工法※が一般的で、コンクリートが暑くなると、熱応力が蓄積されて、ヒビ割れや防水層の劣化、シーリング材の硬化による破断などを引き起こすケースは少なくありません。

※スラブ下断熱工法:屋上のコンクリート躯体下に断熱材を打ち込む方法で、内断熱工法とも呼ばれる

(参考:国土交通省|改修によるマンションの再生手法に関するマニュアルP.29

雨水や結露による水分がコンクリートのヒビや隙間から内部に侵入すると、建物の耐久性を損ねて深刻な事態に発展するリスクがあります。

資産価値の低下

最上階の住戸が暑さによって長く空室になったり、頻繁に売り出されたりする物件は、マンション全体の資産価値が低下する恐れがあります。

マンションは、階数が上がるほど間取りのグレードが良くなり、物件価格も高くなるのが一般的で、最上階の価格が下がると、下層階の物件価格にまで影響を及ぼしかねません。

ポイント

最上階住戸の暑さは、その部屋の住民や区分所有者にとどまらず、建物全体に関係する問題となる傾向があります。

そのため、マンション管理組合様やマンションオーナー様は、改修による暑さ対策をご検討ください。

防水改修診断のお問い合わせ

【専有部】マンション最上階の暑さ対策|メリット・デメリットと費用目安

【専有部】マンション最上階の暑さ対策|メリット・デメリットと費用目安

最上階住戸の暑さ対策として、専有部内でできる方法は主に5つあります。

室内側からの天井・壁断熱リフォーム

室内側から、天井や壁に断熱材を充填すると、外気温の影響を抑えられます。

ただし、断熱リフォームするためには、天井や壁を一度解体する必要があるため、スケルトンリノベーションと合わせて施工する計画がおすすめです。

費用目安 4,000〜7,000円/㎡(押出法ポリスチレンフォームの場合)

6,000〜10,000円/㎡(吹き付け硬質ウレタンフォームの場合)

※上記の他に、天井・壁の解体撤去及び復旧工事費用などがかかります

 

空調強化

エアコンなどの空調機器の容量を高めて暑さを軽減する方法もあります。

ただし、断熱性能の低い建物では、空調を止めた途端に暑くなる可能性が高く、一時的な効果でしかなく、電気代が増えるなどのリスクにも注意が必要です。

そのため、「日中だけ暑さが気になる」などのケース以外はあまりおすすめできません。

費用目安 40,000〜100,000円/台

※冷媒管を室外機に繋ぐための外壁穴がない場合は、設置できない可能性があります。

内窓の設置

既存窓の内側にもう1組の窓を設置して二重窓にすると、暑さだけではなく寒さも軽減できます。

ただし、窓の開閉や掃除が2倍になる点には注意が必要です。

費用目安 40,000〜60,000円/カ所(腰窓の場合)

80,000〜120,000円/カ所(掃き出し窓の場合)

 

窓の遮熱フィルム貼り

日当たりが良い窓のガラスに遮熱フィルムを貼る方法も、マンションの暑さ対策として多く採用されています。

ただし、窓からの熱にしか効果はなく、屋上から伝わる暑さは軽減されない点にはご注意ください。

費用目安 20,000〜25,000円/㎡

※施工面積によって、上記費用よりも高くなる可能性があります。

 

窓の遮熱カーテン・ブラインド設置

窓辺の暑さが特に気になる場合は、遮熱カーテンやブラインドを設置してみましょう。

厚手のタイプは断熱性能もあり、冷暖房の効率を高める効果も期待できます。

ただし、暑さを軽減させるためには、日中でもカーテンやブラインドを締め切る必要があります。

費用目安 5,000円〜/カ所

※別途、カーテンレールの設置や壁の下地補強などに費用がかかる可能性があります。

 

ポイント

マンションリフォームにおいて、区分所有者の要望でできる専有部の工事は限られ、暑さ対策においても一時的な効果のみで、根本的な解決に至らないケースが大半です。

そのため、共用部の改修工事も含めた計画をご検討ください。

【共用部】マンション最上階の暑さ対策|メリット・デメリットと費用目安

【共用部】マンション最上階の暑さ対策|メリット・デメリットと費用目安

マンションの暑さを根本的に解決したい場合は、共用部の改修が必要です。

暑さ対策に有効なリフォームは、主に4つあります。

窓ガラス・窓サッシの断熱リフォーム

窓ガラスや窓サッシは共用部に該当するため、区分所有者の要望だけでは改修できず、管理組合主導で修繕金を使い、交換することが原則です。

※区分所有者が管理組合に工事の要望を申し出て許可される場合もあります。

(参考:国土交通省|マンション標準管理規約|単棟型(コメント含む)

ガラスを高断熱ペアガラス、サッシを高断熱サッシに交換すると、窓からの熱を遮断できます。

費用目安 300,000〜700,000円/カ所(カバー工法の場合)

 

屋上の遮熱塗装

屋上防水がウレタン塗膜防水の場合は、トップコートに遮熱塗料を用いることで、いくらか暑さを軽減できます。

ただし、定期的に塗り替えが必要です。(耐用年数は10〜15年程度)

費用目安 4,000〜5,000円/㎡

※防水層が劣化している場合は、別途、補修費用がかかります

 

【根本的な解決策】屋上の断熱防水改修

最上階が暑くなる最大の原因である屋上から伝わる日射熱を軽減する方法としておすすめの方法が「断熱防水改修」です。

その代表的な工法がサーモコントロール断熱で、既存の屋上防水に断熱機能と遮熱機能をプラスできます。

具体的には、既存防水層の上に断熱材を重ねて、防水シートを敷き込み、遮熱塗料で仕上げます。

※具体的な工程写真はこちらをご覧ください。

ポイントは、暑さだけではなく寒さも軽減できる点です。

費用目安 平均的な単価をお知らせください(かなり幅があっても結構です)

 

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マンションの暑さ対策に関する「よくある質問」

マンション最上階の暑さ対策に関する「よくある質問」

ここでは、多くの方からいただく「マンションの暑さ対策」に関するご質問を紹介します。

Q.何階までは部屋が暑くならない?

A.立地や建物の断熱性能によって異なりますが、マンションで冷房負荷が最も低いのは1階であるケースが一般的です。

ただし、1階は地表からの冷気によって暖房負荷が高くなる傾向もあるため、断熱性能が低いマンションでは中間層が最も室温の安定性は高いとされています。

ただし、日当たりによっては中間層でも暑くなるケースは少なくありません。

Q.「断熱」と「遮熱」の違いは?

A.「断熱」は熱の伝わりを妨げる仕組みを指し、「遮熱」は熱源を跳ね返す仕組みを指します。

そのため、暑さの原因によって遮熱と断熱を使い分ける必要があります。

例えば、直射日光による暑さは「遮熱」、建物からじわじわと伝わる暑さには「断熱」が有効です。

「断熱」は寒さに対しても効果的である点も重要なポイントです。

※くわしくは「【遮熱と断熱の違い】ビルやマンションの屋上防水にはどちら?」をご覧ください。

Q.最上階の暑さ対策は寒さ対策にもなる?

A.屋上の断熱防水改修や、窓ガラス・窓サッシの交換、天井・壁の断熱リフォームは、寒さ対策にも有効です。

窓ガラスに遮熱フィルムを貼る工事や、屋上の遮熱塗装は暑さのみに効果を発揮し、寒さは軽減されません。

Q.マンションの屋上防水改修の進め方は?

A.マンションの屋上防水改修は、住民の心理的負担を軽減するために、緊急処置を除いて、外壁改修などと合わせて基本的に大規模修繕工事によって実施されます。

着工までの主な進め方は以下の通りです。

  1. 修繕委員会の発足:管理組合員で話し合い、メンバーを決める
  2. 劣化診断:防水改修診断員などの専門家に、建物の現状を調査・診断してもらう
  3. 診断結果を踏まえた予算・工事計画の検討
  4. 施工会社選定
  5. 総会で決議:管理組合員の3/4以上から賛成を受けると、工事の実施が可能
  6. 住民への工事説明会
  7. 契約・着工・引き渡し

 

Q.マンションやビルの屋上防水は何年に一度改修(修繕)する?

A.国土交通省が推奨する改修周期は「12~15年程度」としていますが、劣化状況によって物件ごとに異なります。

(参考:国土交通省|改修によるマンションの再生手法に関するマニュアルP.29

そのため、10年程度に1度、建物診断を受けることをおすすめします。

関東防水管理事業協同組合(関防協)では、屋上の状態を無料で検査・診断する「防水改修診断員」を紹介しておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

※防水改修診断員の詳細はこちらをご覧ください。

 

Q.マンションの大規模修繕費用(屋上防水改修含む)にかかる費用目安は?

A.一般的な大規模修繕工事にかかる平均費用は、1戸あたり「100〜250万円(トータル7,600〜8,700万円)」程度が相場ですが、建物の規模やこれまでの実施回数によって、コストは変動します。

定期的に適切な改修工事を行っている場合は、1回目が最も高く、2回目、3回目と段々安くなるのが一般的です。

(参考:国土交通省|マンション管理・再生ポータルサイト|Q&A|マンション管理について

1回目の大規模修繕工事 中央値8,665.0万円・平均値15,237.4万円

(中央値110.2万円/戸・平均値151.6万円/戸)

2回目の大規模修繕工事 中央値7,660.0万円・平均値11,702.7万円

(中央値106.1万円/戸・平均値112.4万円/戸)

3回目以降の大規模修繕工事 中央値8,703.0万円・平均値8,703.0万円

(中央値97.0万円/戸・平均値106.1万円/戸)

※()内は、大規模修繕工事にかかった費用を戸数で按分した場合の費用です。(税抜き価格・共通費別途)
※上記データは5年前のもので、さらに値上がりしている可能性が高いため、ご注意ください。

(参考:国土交通省|令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査

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