“安心・安全・高品質”の防水工事会社を選ぶには?
失敗しない優良業者の見分け方について7つのポイントを解説

ウレタン防水

ビルやマンションなどにおいて、屋上防水が正常に機能しているか否かは建物の寿命を大きく左右します。そのため、確かな技術を持った防水工事会社を選ぶことはとても重要です。しかし、インターネットなどで業者を探しても、一体どこに依頼すれば良いか分からない人も多いでしょう。

そこで、今回は防水工事会社の見分け方について解説します。多くの方は防水工事を後悔した理由も紹介しますので、これから建物のメンテナンスを検討する方は、是非参考にしてください。

このコラムのポイント
・優良会社と出会うためには、見積時からいくつかのチェックポイントを確認しなくてはいけない。
・適正な改修工事をするためには、契約前の建物診断は必須。




防水工事で後悔&失敗する原因は?

防水工事は重要な工事であり、且つまとまった費用がかかるため、どなたも施工会社選びは慎重になるでしょう。しかし、残念ながらいくら慎重に会社を選んでも、「後悔」「失敗」と感じる方も少なくありません。

その主な理由は、下の5点です。

  • 見積書の工事項目(内容)についての説明がない
  • 工期が明確でなく、原因がはっきりしない遅延があった
  • 建物にキズを付けられた
  • 工事車両などが原因で近所トラブルになってしまった
  • 引き渡し後に施工不良が発覚したものの、メンテナンスの対応が遅かった


まず、最初の見積金額が他社と比べても安かったため契約したものの、後から次々と追加見積が提示され、結局は割高になってしまったというケースがあります。もちろん、優良会社でも予測できなかった不具合があって追加工事が発生することは否めませんが、あまりにも何度も「見積漏れ」や「見積ミス」がある会社には、要注意です。また、他社と比べて極端に安い見積金額を提示してくる会社にも気を付けましょう。後から色々な名目で追加料金を取られてしまう可能性もあります。

工期が曖昧だったり、提示された工程表が大まかすぎる会社にも注意してください。集合住宅やテナントビルなど、多数の方が使っている建物の場合には、コロコロと工期が変わってしまうと借主・貸主間での信頼問題にも発展しかねません。

そして、防水工事以外にも仮設工事(足場工事や養生作業)をきちんとできる会社でないと、工事と関係ない部分にキズを付けてしまうこともあります。また、現場管理体制が整っていないと、工事車両が原因で通行の妨げになり、ご近所からのクレームになりかねません。最悪の場合は、第三者を巻き込んだ事故に発展することも懸念されます。

そしてよくある理由が、「引き渡し後に露呈した不具合に対して、速やかにメンテナンスしてもらえなかった」というケースです。メンテナンスや施工保証をきちんとしてもらえるかどうかは、今後長い付き合いになる防水施工会社選びにおいて、重要なポイントとなります。

つまり、後悔や失敗をしないためには、無数にある防水施工会社から信頼できる会社を選ばなくてはいけないということです。



優良防水会社選び「7つ」のポイント

では、具体的にはどのようなポイントに気を付けて防水施工会社を選べば良いのでしょうか。ここでは、主な7つのポイントを紹介します。どちらも信頼できる会社と巡り合うためには、とても重要なポイントです。是非、契約前に必ずチェックしてください。

ポイント① 建物診断をしてくれるか

優良な施工会社は、必ず見積を作成する前に、現状を把握すべく建物診断を行います。 外観から「そろそろメンテナンス時期」とセールスしてくる会社もありますが、それらにおいてもそこから詳細を調査してくれるかどうかが、安心できる会社かどうかを見極めるポイントです。

ちなみに、建物診断は簡易診断と精密診断があります。現状、目立った不具合がないようでしたら簡易診断で十分ですし、特に気になる部分があるようでしたら、防水工事をする前提で精密診断および見積の作成を依頼すると良いでしょう。

どちらにしても、適正なメンテナンスを施すためには、建物診断は欠かせません。

ポイント② 十分な施工実績があるか

その会社に防水工事に関する十分な施工実績があるかどうかや、あなたの所有する建物タイプと同じかどうかをチェックしましょう。防水施工会社には、戸建て住宅を専門の会社や、集合住宅など中大規模の建物の改修工事に対応できるかどうかなど、得意分野が分かれる場合もあるからです。

特に、大規模修繕工事の場合は、塗装業者が元請けになるケースが多いため、防水についても専門知識のある業者を選ぶことが大切です。また、きちんとした会社でしたら、お客様の要望であれば過去の施工写真や建物診断書・完了報告書の見本などを見せてくれますので、必ず契約前に確認しておくことをおすすめします。  

ポイント③ 値段勝負をしないか

飛び込み営業ですぐに見積を出してくる会社や、「モニター価格」と称して極端に安い金額のプランを提案してくる会社には要注意です。飛び込み営業が全て悪いという訳ではありませんが、まともに建物も見ずに工事金額を提示してくる会社は信頼できません。

また、通常は精度の高い工事をするためには、適切な材料費と人件費は必要で、大きく値引きすることは難しいはずです。適正な価格を知るために、複数に見積依頼をする「相見積もり」をするのもおすすめです。

ポイント④ 見積書・工程表などの精度が高いか

提示された見積書に「一式」が多い場合や、使用する材料が書かれていない会社は危険です。工事内容や材料が分からないまま契約してしまうと、思った工事をしてもらえない場合もあります。必ず契約資料として、仕様書(もしくは見積書に仕様を明記したもの)が揃っているかを確認しましょう。

また、防水改修工事は、下地処理工事が重要なため、見積項目に下地処理等についての記載が入っているかも重要なポイントです。そして、工程表からは、工期が極端に短くないか、乾燥期間が十分取られているか、中間・完了検査はきちんと実施されるかなどが分かります。また、仮設工事期間を十分とっているかどうかで、安全対策が取られているかの参考になるでしょう。

そのほか、材料のカタログや色見本など、参考資料を準備した上で、工事内容について細かく説明してくれるかどうかが、その会社の誠意や真剣さを見極める判断基準になります。安心して工事を任せられるかどうかを、提出される資料からしっかり判断しましょう。

ポイント⑤ 現場管理体制が整っているか

契約する前に、工事中の現場管理体制についても確認しておきましょう。全ての現場において現場監督の常駐は必要ありませんが、定期的に監督がチェックしてもらえるかどうかや、下請けに丸投げしないかどうか、中間検査の有無などを事前確認することで、安心して任せられるかどうかが分かります。

また、工事期間中に気になる点を見つけた場合に、誰にどのように確認すればいいかも事前に聞いておくと、着工後も円滑にコミュニケーションを図れます。

ポイント⑥ 代金の支払時期が適切かどうか

工事代金は工事請負契約時に支払う「着手金(契約金)」、工事が始まってから支払う「着工金」、工事引き渡し後に支払う「完工金」が一般的ですが、それらの割合についても、適正かどうかチェックしましょう。会社によってその割合は違いますが、大規模修繕工事の場合、通常は「着手金」と「着工金」はそれぞれ通常総工事費の10~30%程度、「完工金」は残りという場合がほとんどです。ただし、工事規模によっては、着手金のみ支払い、残りは全て工事完了時に支払うケースもあります。

どちらにしても、契約時には、工事請負契約書を取り交わして、支払い条件を十分に確認しておきましょう。

〈関連ページ〉
下記ページでは、工事請負契約における決まりについて詳しく書かれています。民間工事における受発注者の規律についても記載されていますので、興味のある方は是非合わせてご覧ください。



ポイント⑦ 保証の有無・アフターメンテナンス

工事完了引き渡し後に、きちんと施工や材料について保証してもらるかも重要なポイントです。防水工事の保証については、全面改修工事を行った場合に、10年保証(仕様によっては5年)を出すのが通常ですが、部分補修工事については、施工業者・メーカー共に、保証は出しません。

そして、アフターメンテナンスに迅速に対応してもらえるかや、今後定期的に建物チェックに来てもらえるかなども、優良会社を選ぶポイントです。




まずは、関防協の「防水改修調査診断員」へご相談を

工事会社を選ぶのに不安を感じる方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合(関防協)へまずはお気軽にご相談ください。当協同組合は、主に関東にある防水改修の会社で形成されているグループです。東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の関東地域に限らず、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計191社の正会員がおります(2019年11月時点)。また、年々進化し続けている防水工事についての教育活動も行なっており、適切な調査や提案ができる「防水改修調査診断員」の育成を実施しています。

当HPでは、防水改修調査診断員による無料診断も申し込みや、マップ上での施工店検索ができます。ぜひお気軽にご活用ください。




まとめ|ポイントを押さえて優良業者を見極めましょう

今回は、優良な防水施工会社の選び方について7つのポイントを紹介しました。数ある会社から本当に信頼できるところを選ぶのは、一般の方にとって簡単ではないでしょう。しかし、ポイントさえ押さえれば、少なくとも適当な工事をする不誠実な会社とは契約しないはずです。

防水工事や一過性の改修工事とは異なり、長く定期的にコミュニケーションを取らなくてはいけません。ですから、後悔や失敗のないように慎重に会社選びをしてください。

「信頼できる業者がわからない」そんな方は、ぜひ関東防水管理事業協同組合のネットワークで信頼できる工事店を探してみてください。都道府県別に登録業者を検索できるため、近くの工事店を簡単に見つけられます。少しでも防水に不安や不満を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

運営者情報

関東防水管理事業協同組合事務局

関東防水管理事業協同組合事務局

建設防水業界トップシェアの田島ルーフィングが主催する、改修工事に特化した工事店ネットワーク。
日々進化する防水工法や現場のニーズに合わせた最適な対応を行うため、施工技術者の育成にも取り組んでいます。
当サイトでは、マンションなどの一般住宅から店舗、大型ビルなど、さまざまな現場を見てきた防水のプロが豊富な知識と経験を活かして防水工事についてわかりやすく解説します。

主な資格
建築士 コンクリート診断士 宅地建物取引士 防水改修調査員

関防協(関東防水管理事業協同組合)について