ベランダ・バルコニー・屋上の防水はいつ補修すべき?マンション管理組合が知るべき劣化サインと補修方法

ベランダ防水補修のタイミングとは?マンション管理組合が知るべき劣化サインと補修方法 ※本記事は、2022年4月に公開したものを再編し、2026年7月に再公開したものです。

近年は大雨や台風による豪雨が増えましたが、そこで気になるのが「雨漏り」です。

マンションは戸建て住宅よりもベランダ・バルコニーや屋上の劣化に気がつきにくく、劣化への対策が遅れがちです。

ベランダ・バルコニー、屋上の防水層に劣化を見つけても、「ひび割れは補修だけで済むのか」「大規模修繕までそのままにするか、今すぐ補修すべきか」と判断に迷う管理組合様は多いはずです。

防水の異変を放置すると、防水層の損傷に加えて、漏水やコンクリート躯体の劣化につながり、深刻な問題になりかねません。

そこで本記事では、ベランダ・バルコニー、屋上防水の補修が重要な理由から、ウレタン塗膜防水・シート防水・アスファルト防水の耐用年数や劣化のサイン、補修方法について、防水のプロである「関防協(関東防水管理事業協同組合)」が詳しく解説します。

マンション管理組合の方に知っておいていただきたいポイントや、DIYによる補修のリスク、大規模修繕工事の周期や費用目安など、多くの方が気になる質問も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

このコラムでわかること
  • マンションにおけるベランダ・バルコニーや屋上の防水層は、建物の耐久性や強度を維持するうえでも重要な部位であるため、「5年ごと」に点検・診断することが推奨されています。
  • 防水工法の種類によって耐用年数(改修周期)の年数や劣化のサイン、補修方法が異なるため、まずはどの工法が用いられているか確認することが重要です。
  • マンションの屋上だけではなく各戸のベランダ・バルコニーも共用部に含まれるため、管理組合主導のもと、点検・管理する必要があります。

 

Contents

ベランダ・バルコニー・屋上防水の補修が重要な理由

ベランダ防水・屋上防水の補修が重要な理由

マンションの建物を正常な状態で維持していくためには、各部のメンテナンスは欠かせませんが、その中で最も重要と言えるのが「ベランダや屋上の防水層」です。

防水層が劣化すると、雨漏りから建物の耐久性低下、大規模修繕工事の費用増加と連鎖的に問題を引き起こします。

【ベランダ・バルコニー・屋上の防水の劣化による問題】

  • 防水層が劣化し、ひび割れや塗膜の脆弱部から雨水が内部に侵入

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  • 室内に雨漏りして、内装材な家財などにダメージを与える
  • 防水層の下に侵入した雨水がコンクリートや鉄骨の隙間などから構造体内部に侵入

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  • コンクリート内部の鉄筋や鉄骨を腐食させる
  • コンクリート内部の鉄筋は腐食すると膨張し、コンクリートを内部から押し上げて大きな亀裂を生む(鉄筋爆裂)

矢印

  • 根本的な改善をするためには、広範囲にわたる大規模修繕工事が必要(費用負担が増える)
  • 修繕費不足などで適切な改修ができないと、建物全体の耐久性・強度や資産性の低下につながる

 

このように、防水層の劣化を放置すると、建物全体に影響を及ぼす深刻な事態になりかねません。

そのため、日頃から定期点検を行い、劣化が軽微なうちにこまめに補修することが重要です。

「メンテナンスや点検費用が頻繁に発生しては困る」と思う方は多いですが、こまめなベランダ・バルコニーや屋上の補修こそ、長期的に見ると大規模修繕費用を削減できるメリットもあります。

また、賃貸マンションやテナントビルなどの収益物件においては、こまめに補修されていることで空室を防ぎ、資産価値を維持できるため、将来的な売却の際にも有利になるケースは珍しくありません。

▶︎おすすめ記事:【よくある疑問】マンションのベランダ防水は必要?タイミング・工法を詳しく解説

「ウレタン塗膜防水」の耐用年数・劣化サイン・補修方法

「ウレタン塗膜防水」の耐用年数・劣化サイン・補修方法

マンションのベランダ・バルコニーや屋上に用いられる防水工法にはいくつか種類があり、それぞれ標準的な耐用年数や劣化のサイン、補修方法は異なります。

ウレタン塗膜防水とは、粘度のある樹脂系防水材を下地に重ね塗りして防水層を形成する工法で、施工場所を選ばず、マンションやビルのベランダ・バルコニー・屋上に広く採用されています。

▶︎ウレタン塗膜防水について詳しく知りたい方は「ウレタン防水とは?工法・費用・耐用年数まで完全解説【失敗しない選び方】」をご覧ください。

標準的な耐用年数

ウレタン塗装は、基本的には「5〜8年」ごとにトップコートの再塗装が必要で、全体的な改修は「10〜15年」周期で実施するのが原則です。

ただし、建物の立地やこれまでのメンテナンス履歴、ベランダ・バルコニーや屋上の使用状況によって適切なメンテナンス周期は異なるため、最低でも「5年ごと」に専門家による点検を受けることをおすすめします。

よくある劣化サイン

ウレタン塗装のよくある劣化サインは、主に5種類に分かれます。

(劣化サイン) (具体的な現象)
トップコートの風化
  • 防水層表面を保護するトップコートは、紫外線や風雨に長期間さらされると徐々に風化する
  • 手で触れると粉末がつくと、防水塗料が劣化したサイン(チョーキング現象)
  • そのまま放置すれと、トップコート下の防水層まで劣化が進行する
塗膜の剥離・摩耗 塗膜のひび割れ(破断)
  • よく歩行する場所や空調室外機や物干し台などを置いている場所は、局所的に負荷がかかり、トップコートと防水層が摩耗し、弱くなったところから塗膜が剥がれる場合がある
  • そのまま放置すると、そこから雨水が侵入する
塗膜の膨れ
  • 防水層が剥がれたりひび割れたりしている場所から雨水が侵入すると、内部の水分が日射熱で水蒸気になって膨らみ、防水層の劣化を進行させる
  • そのまま放置すると、塗膜の大きな剥離や破断につながる
コケ・藻の繁殖
  • 水たまりにホコリなどの汚れが溜まると、そこにコケや藻が繁殖し、常に湿ってしまう
  • そのまま放置すると、防水塗膜が膨潤劣化(加水分解)※を起こし、防水層の機能が低下する場合がある

※膨潤劣化(加水分解):樹脂系の素材が常に水に触れると、変質して分解されてしまう現象で、表面がベトベトになり、本来の防水そうが失われる

▶︎おすすめ記事:ウレタン防水が劣化する原因とは|症状別の対処法や塗り直しの目安を解説

補修方法

ウレタン塗膜防水の補修方法は、劣化の進行具合によって異なります。

【軽度な劣化】

  • トップコートのみの劣化であれば、再塗装で補修可能

【中度な劣化】

  • 軽微な塗膜剥離やひび割れは、下地まで劣化が進行していなければ部分的なウレタン塗装で補修可能

【深刻な劣化】

  • 塗膜の膨れや大きなひび割れ、破断、剥離などは、広範囲での防水層からの塗り替えが必要
  • 水たまりを改善するためには、床勾配(傾斜)を改善するために、全体的な下地からのやりかえが必要
  • 排水口周りの不具合は、ドレン※からやりかえなくてはいけない可能性があり、広範囲の補修が必要

※ドレン:ベランダ・バルコニーや屋上が受けた雨水を排水樋に流し込むための接続パーツ

「シート防水」の耐用年数・劣化サイン・補修方法

「シート防水」の耐用年数・劣化サイン・補修方法

シート防水とは、屋上下地の上に塩化ビニール製もしくはゴム製の防水シートを敷き詰めて固定する工法で、主に塩ビシート・ゴムシート・TREシートが用いられます。

主に広くシンプルな形状の屋上防水に採用され、狭いベランダ・バルコニーにはほとんど施工されません。

▶︎シート防水について詳しく知りたい方は「シート防水とは?マンション管理組合が知るべき改修工法の種類と費用、大規模修繕の注意点」をご覧ください。

標準的な耐用年数

シート防水の耐用年数はシート材の種類によって異なりますが、「12〜15年ごと」に大規模な補修を実施するケースが大半です。

ただし、飛来物などで防水シートが部分的に破損する場合もあるため、ウレタン塗膜防水と同様に「5年ごと」に状況確認することをおすすめします。

よくある劣化サイン

シート塗装のよくある劣化サインは、主に5種類に分かれます。

(劣化サイン) (具体的な現象)
シートの破断
  • 鋭利なものがぶつかったり、重いものを落としたりすると、防水シートが局部的に破れる
  • 屋上の場合は、鳥につつかれて破断が生じる場合もある
  • そのまま放置すると、そこから雨水が侵入する
シートの硬化・収縮
  • シート材は高熱で膨張し、冷却されると収縮する
  • シート材は紫外線によって柔軟性が失われて硬化する
  • 経年劣化によってシートが硬化・収縮すると、徐々に継ぎ目が開き、最終的には剥離する
  • そのまま放置すると、そこから雨水が侵入する
シートジョイント部の劣化
  • シートのつなぎ目が劣化すると、そこから口が開き、剥離する
  • パラペットなど立ち上がり部分は、劣化が早いため特に注意が必要
  • そのまま放置すると、そこから雨水が侵入する
シートのしわ・ヨレ
  • シートが収縮すると、徐々に密着性が落ちてしわ・ヨレが発生する
  • そのまま放置すると、シートの耐久性が落ちて剥離・破断を引き起こし、雨漏りの原因になる
コケ・藻の繁殖
  • 水たまりにホコリなどの汚れが溜まると、そこにコケや藻が繁殖し、常に湿ってしまう
  • そのまま放置すると、防水塗膜が膨潤劣化(加水分解)※を起こし、防水層の機能が低下する場合がある

※膨潤劣化(加水分解):樹脂系の素材が常に水に触れると、変質して分解されてしまう現象で、表面がベトベトになり、本来の防水性能が失われる

補修方法

シート防水の補修方法は、劣化の種類によって異なります。

【シートの浮き・剥離、ジョイント部の口開き】

  • 防水層からのやりかえや根本的な補修が必要
  • 部分的な補修も可能だが、シートを“切り貼り”する部分が増えるほど、今後の雨漏りリスクは上がるため要注意

【水たまりの改善・排水口周りの劣化】

  • 水たまりを改善するためには、床勾配(傾斜)を改善するために、全体的な下地からのやりかえが必要
  • 排水口周りの不具合は、ドレンからやりかえなくてはいけない可能性があり、広範囲の補修が必要

 

「アスファルト防水(押さえコンクリート)」の耐用年数・劣化サイン・補修方法

「アスファルト防水(露出仕上げ)」の耐用年数・劣化サイン・補修方法

アスファルト防水とは、液状の溶解アスファルトと防水性の高いアスファルトルーフィングシートを重ねて敷き、強靭で水密性の高い防水層を形成する工法で、主に広くシンプルな形状の屋上防水に採用されます。

▶︎アスファルト防水について詳しく知りたい方は「アスファルト防水とは?工法・耐用年数・補修のタイミングをわかりやすく解説」をご覧ください。

標準的な耐用年数

アスファルト防水の標準的な耐用年数は「15〜25年」と他の工法と比べて長いですが、部分補修が難しい点にはご注意ください。

「5〜10年ごと」にトップコートの再塗装をすることにより、防水層自体のひび割れや劣化を防ぎ、耐用年数を大幅に延ばすことが可能です。

高耐久であるためこまめな点検は必要ありませんが、長期間放置すると劣化が知らぬ間に進行する恐れがあるため、外壁など他の共用部と合わせて「5年ごと」に定期点検することをおすすめします。

実際に、国土交通省の長期修繕計画ガイドラインでも5年ごとの点検が推奨されています。

よくある劣化サイン

アスファルト防水は、ウレタン防水やシート防水と比べると劣化しにくいですが、点検を怠ると一気に深刻な問題に発展する可能性があるため、主な劣化サインを把握しておきましょう。

(劣化サイン) (具体的な現象)
防水層表面の砂落ち
  • 露出アスファルト防水は、最上層が砂付き仕上げだが、経年劣化によって”砂落ち”現象が発生する
  • そのまま放置すると、アスファルトルーフィングの基材が露出し、防水層の劣化が進行する
ジョイント部の口開き
  • アスファルトルーフィングシートのジョイント部(重ね部)が劣化すると、口開きが発生する
  • そのまま放置すると、そこから雨水が侵入する
防水層のふくれ
  • ジョイントの口開き部分などから雨水が侵入すると、防水層の下に水が溜まり、ふくれの原因になる
  • そのまま放置すると、アスファルトルーフィングシートの劣化につながる
立上がり上部のシーリング材劣化
  • 防水層の立上がり端末を押さえる金物上部には、シーリング材が充填されている
  • このシーリング材が硬化して亀裂・破断が生じると、そこから雨水が侵入する

※膨潤劣化(加水分解):樹脂系の素材が常に水に触れると、変質して分解されてしまう現象で、表面がベトベトになり、本来の防水そうが失われる

補修方法

アスファルト防水の補修方法は、劣化の種類によって異なります。

【防水層表面の砂落ち】

  • 全面的なトップコートの再塗装が必要

【ジョイント部の口開き】

  • 部分的な補修も可能だが、シートを“切り貼り”する部分が増えるほど、今後の雨漏りリスクは上がるため要注意

【防水層のふくれ】

  • ふくれ部分の切開補修が必要
  • 広範囲にふくれが生じている場合は、防水層からのやりかえや根本的な補修が必要

【立ち上がり部分のシーリング劣化・排水口周りの劣化】

  • シーリングの部分取り替えは雨漏りの原因になりやすいため、全体的な打ち替えが必要
  • 排水口周りの不具合は、ドレンからやりかえなくてはいけない可能性があり、広範囲の補修が必要

 

▶︎おすすめ記事:屋上防水には欠かせない“改修用ドレン”|重要性や仕組み・施工方法まで詳しく解説

面積の広い屋上は「かぶせ工法」という選択肢も

面積の広い屋上は「かぶせ工法」という選択肢も

全体的な防水改修が必要な場合、現在では「かぶせ工法」が多くの改修工事で採用される主流の工法です。

30年以上前は、既存防水層を全て撤去して新たにやりかえる「撤去工法」が採用されていましたが、近年は既存防水層は残してその上から新たな防水層を形成する「かぶせ工法(非撤去工法)」が広く普及しています。

▶︎かぶせ工法の詳細は「防水改修3工法の比較」をご覧ください。

かぶせ工法の主なメリットは、以下の通りです。

  • 既存防水層の撤去にかかる工期やコストが不要
  • 撤去時の騒音や振動、周りへのホコリの飛散がない
  • 既存防水層の機能も残せる
  • 産業廃棄物の量を格段に減らせて、環境に優しい

 

かぶせ工法は、コストや工期などオーナー様への負担が抑えられるだけではなく、建物利用者や周辺環境への負荷も少なく、さらには環境にも配慮できる優れた工法です。

ただし、既存の劣化状況によっては適応できない場合もありますので、まずは防水の専門家に建物診断を依頼しましょう。

 

ポイント

マンションにおける屋上防水の劣化は外から見えにくく、気づいた時には修繕費用が大きく膨らむケースも少なくありません。

大規模修繕工事は「早すぎると損」「遅すぎると高額化」するため、まずは現状把握だけでも専門家に相談することが重要です。

関東防水管理事業協同組合(関防協)では、防水改修診断員が無料で現地に出向き調査・診断する「無料訪問診断」を承っております。

「長い間、屋上防水の状態を確認していない」「最上階で雨漏りの跡が見つかった」というマンション管理組合様は、お気軽に私たちまでご相談ください。

無料訪問診断のご依頼はこちら>

防水改修診断のお問い合わせ

 

ベランダ・バルコニー・屋上の防水補修でマンション管理組合が注意すべきポイント

ベランダ防水・屋上防水の補修でマンション管理組合が注意すべきポイント

マンションの屋上やベランダ・バルコニーの防水を補修する場合、管理組合の方が知っておいていただきたいポイントがあります。

【管理組合の方が知っておくべきポイント】

  • 屋上と各戸のベランダ・バルコニーは全て場所によって劣化度合いが異なる場合があるため、点検の際には1カ所ごと全て確認してもらう必要がある
  • 屋上だけではなく、各戸のベランダ・バルコニーも「共用部」であるため、住民の意思とは関係なく点検・補修を実行できる
  • 多くの管理規約では、各戸のベランダ・バルコニーに物置などすぐに動かせないものを置いたり、ウッドデッキパネルや人工芝を固定できないため、見つけた場合は区分所有者に是正指導してから点検・補修する
  • ベランダ・バルコニーの補修は、外部から各戸に作業員がアクセスできるように足場をかける場合が多いため、全体的な作業を実施する場合は、外壁改修と同時にやるとコストの無駄を削減できる

 

特に、ベランダ・バルコニーは専有部分と理解する区分所有者が多く、防水の点検や補修のスケジュールを立てる際に管理組合ともめる場合があるため、事前に全戸に通達するなどの事前準備が必要です。

また、ベランダ・バルコニーの床に人工芝を接着剤で貼り付けていたりパネル材をビスで固定していたりする部屋は、重大な規約違反になる可能性があるため、防水点検の際には併せて確認しましょう。

 

【FAQ】マンションのベランダ・バルコニー・屋上の防水補修に関する「よくある質問」

【FAQ】マンションのベランダ・屋上防水補修に関する「よくある質問」

ここでは、多くの方からいただく「マンションの大規模修繕工事」に関するご質問を紹介します。

Q.DIYでベランダ・バルコニーや屋上の防水は補修できる?

A.マンションのベランダ・バルコニーや屋上の防水は、DIYで補修すると取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。

その主な理由は、以下のとおりです。

  • ベランダ・バルコニーと屋上はマンションの共用部であるため、管理組合の承認なく住民などが補修すること自体が問題になるため
  • 既存防水材と相性の悪い材料を使うと、被害が拡大してしまうため
  • メーカーが指定した塗布量や塗膜厚さにならず、防水能力を確保できない可能性があるため
  • DIYで補修すると、その後、防水施工会社から工事保証が受けられなくなる場合が多いため

防水工事は、防水施工技師という国家資格があるほど、専門的な知識や技術を要し、高耐久な2液タイプのウレタン塗膜防水材は、専用工具が必要で、一般の方の取り扱いが非常に難しいので注意しましょう。

また、現状どのような材料が使われているかや劣化度合いを十分把握しなくてはならないため、安易に手をつけるのはリスクは高いと言わざるを得ません。

▶︎雨漏りの応急処置方法については「〈マンション・ビルのオーナー様必見〉 雨漏りの応急処置で“やるべきこと”と“やってはいけないこと”」を併せてご覧ください。

 

Q.防水の劣化は補修と大規模改修をどう判断する?

A.部分補修か大規模改修かの判断は、建物診断を行う施工会社や建築士が決めますが、目安としては、補修対象面積が1/4以上か、前回の防水改修から13年以上(アスファルト防水の場合は20年以上)経過している場合は、大規模改修を検討することをおすすめします。

ただし、判断が分かれる場合もあるため、セカンドオピニオンとして複数の施工会社に調査を依頼する方法もあります。

 

Q.マンションの全体的な建物調査と大規模修繕工事は何年ごとにする?

A.国土交通省が公表する長期修繕計画ガイドラインでは「5年ごと」に調査・診断を行い、「30年で2回以上」の大規模修繕を行うことを推奨しています。

5年ごとの調査・診断により、ベランダ・バルコニーや屋上の防水層における劣化を早めに発見できる可能性が高まり、雨漏りによる被害拡大を未然に防ぐことが可能です。

ちなみに、長期修繕計画ガイドラインの中では、工事別の修繕周期目安を以下のように記しています。

工事内容 修繕周期の目安
外壁の塗り替え 12~15年
空調・換気設備の取替え 13~17年
屋上防水の補修・修繕 12〜15年
屋上防水の撤去・新設 24〜30年

(参考:国土交通省|マンション管理|長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン(コメント含む)

▶︎おすすめ記事:マンションの大規模修繕は何年ごとがベストか|ガイドライン・目安年数と工事時期を決める方法、減税・補助金を解説

▶︎おすすめ記事:国土交通省「長期修繕計画ガイドライン」とは?マンションにおける必要性、改定・見直しについて解説

 

Q.長尺床シート仕上げのベランダ・バルコニーも、補修は必要?

A.比較的新しいマンションでは、各戸のベランダ・バルコニーに防滑性の長尺ビニル床シートを採用するケースが多いですが、シートはあくまでも仕上げ材であり、他の防水工法と同じく点検・補修が欠かせません。

主な劣化サインは、シートの浮き、継ぎ目の剥がれ、端末コーキングの劣化で、そのまま放置すると雨水の侵入につながります。

耐用年数は10〜15年が目安とされていますので、屋上防水と同じく5年に一度は点検することをおすすめします。

 

Q.修繕積立金が不足して防水改修工事をできない場合はどうすればいい?

A.共用部の改修工事を実施する際に修繕積立金が不足している場合は、「一時金の徴収」「管理組合の借入」「修繕積立金の値上げ」が必要ですが、多くのマンションでは工事内容の見直し(先送り)をしています。

工事内容の見直し(先送り)は最も現実的な方法ですが、劣化がかなり進行している場合はあまり期間の猶予がない点には注意が必要です。

屋上やベランダ・バルコニーからすでに雨漏りしている可能性がある場合は、少額の応急処置費用であれば、緊急措置として管理組合の理事会決議もしくは総会決議を通過すれば、管理費の余剰金を使える場合もありますので、管理会社などに相談しましょう。

 

Q.ベランダ・バルコニーや屋上の部分的な防水補修にかかる費用はどのくらい?

A.補修範囲の広さにもよりますが、コーキングの部分的な打ち替えだけでも1カ所につき5万円程度かかり、平場や立ち上がり部分の補修は、1㎡あたり1万円程度、そのほか、下地処理や足場代などが発生する場合もあります。

部分補修は原則として、大規模修繕工事における全面的な防水改修工事よりも単価が割高になる点にはご注意ください。

 

Q.マンションの大規模修繕工事にかかる費用はどのくらい?

A.一般的な大規模修繕工事にかかる平均費用は「7,600〜8,700万円」程度ですが、建物の規模やこれまでの実施回数によって、コストは変動します。

1回目の大規模修繕工事 中央値8,665.0万円・平均値15,237.4万円

(中央値110.2万円/戸・平均値151.6万円/戸)

2回目の大規模修繕工事 中央値7,660.0万円・平均値11,702.7万円

(中央値106.1万円/戸・平均値112.4万円/戸)

3回目以降の大規模修繕工事 中央値8,703.0万円・平均値8,703.0万円

(中央値97.0万円/戸・平均値106.1万円/戸)

※()内は、大規模修繕工事にかかった費用を戸数で按分した場合の費用です。(税抜き価格・共通費別途)
※上記データは5年前のもので、さらに値上がりしている可能性が高いため、ご注意ください。

(参考:国土交通省|令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査

高性能な仕様や、バリアフリー工事など外装改修以外の工事も実施する場合は、上記金額よりトータルコストが高くなる場合が一般的です。

▶︎おすすめ記事:マンションの屋上防水工事に活用できる助成金・補助金制度|申請の流れや注意点も解説

 

ポイント

マンションの大規模修繕工事に関するお悩みは、防水工事のプロ集団である「関防協」までご相談ください。

関東防水管理事業協同組合(関防協)は、主に関東の防水改修会社で形成されているグループで、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬以外に、山梨・静岡・長野・新潟にも支部があり、計192社の正会員がおります。(2026年1月時点)

関東防水管理事業協同組合(関防協)では、防水改修診断員が無料で現地に出向き調査・診断する「無料訪問診断」を承っております。

ホームページでは、防水改修診断員による無料診断のお申し込みや、マップ上での施工店検索ができますので、「雨漏り診断をどこに依頼すればいいか分からない」「信頼できる施工会社の選び方が分からない」という方をしっかりサポートいたします。

 

関防協|関東一円に広がる防水改修ネットワーク(施工店検索)

関防協|無料訪問診断

まとめ

マンションにおけるベランダ・バルコニーや屋上の防水層は、建物の耐久性や資産性を維持するために重要な部位であるため、劣化サインを見つけたら速やかな補修が必要です。

また、劣化を早めに見つけるためには、5年ごとに専門家による建物調査を実施することも重要になります。

「マンションの屋上防水が劣化していないか心配」「長期修繕計画を立てる上で、工事時期や工事金額の目安を知りたい」という管理組合様は、建物診断の実績が豊富な関東防水管理事業協同組合(関防協)にご相談ください。

早めの対策が将来の修繕費を大きく左右します。

ぜひ、防水改修診断員による無料訪問診断もご活用ください。

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建設防水業界トップシェアの田島ルーフィングが主催する、改修工事に特化した工事店ネットワーク。
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主な資格
建築士 コンクリート診断士 宅地建物取引士 防水改修診断員

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